年の瀬某日。K殿下夫妻来たる。
夫妻ともどもの来訪はコロナ以後久しぶり。
腰痛をねぎらわれ、嬉しくもあり、ハナシに花が咲く。
見舞いに、大分の芋焼酎と日田羊羹を頂戴した。
赤司日田羊羹の創業は明治24年というから、ここ岡山では亜公園が建造されてた頃だな。
とらやよりも美味いらしい。表層が糖化して白くなった頃合いが好いらしい。
元旦の午後に食べてみよう。
くわえて、70年万国博覧会モチーフのグッズまで頂戴し、実にまったくありがたや有り難や。
サンヨー舘で話題だったウルトラソニック・バス(人間洗濯機)の極小模型。よく出来てるなぁ。お2人が帰ったあと、自室のショーケースに収めた。
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翌日、Konma夫妻と娘のまつりちゃんがやって来る。
MINIの年末の里帰りと思いきや、MINIじゃなく、でっかいTOYOTAでやって来る。
オマケにでっかい牡蠣も一緒だ。お歳暮だ。
さっそく、その夜にいただく。
幸いかなウチには、厚さ3センチ・縦横37センチのヤヤ大きな調理鉄板がある。激烈に重いがズイブンに重宝している。
この鉄板で、牡蠣お好み焼きをば作る。
みゆきモダンのようにそばやうどんは入れず、昭和前期のように、「一銭洋食」風が好ましい。
薄く敷いた小麦粉(メリケン粉という云い方が好き)に具材のせ、その上にまたメリケン粉を敷いた上で、ひっくり返し、平たく軽く叩いて出来上がり。
かつお節をふりかける。
もらった牡蠣をのせる。
豚バラと玉子必需。たっぷりのキャベツが要め(温暖化による生育期の猛暑が原因とかで、この年末のキャベツ価格高騰はメチャで、これは嬉しくない)。
皿に移し、2つ折りにする。折りにくいが無理してでも折る。
折る前にオタフク・ソースを塗り、折った後にウスター・ソースをたっぷりかける。マヨネーズものせる。
2つ折りにしてムッチリ分厚く豊満な、このソースまみれをナイフとフォークで英国だか仏蘭西の貴族みたいにいただくのが、ヨロシイのですわ。正装でいただくワケはないけど、私にとって華(はな)ある逸品だなぁ、自宅でのお好み焼き。
で、こたびは牡蠣入りなんだからな。いや~、ありがたいお歳暮だ。
という次第で、「一銭洋食・牡蠣バージョン」。
これ……、美味いにきまってますよ~。
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やや県北の親族宅にお餅を貰いに行くべく、準備する。
毎年、かかせない慣習。
今回は腰痛中ゆえ、硬いクッションを用意し、往復3時間ほどの振動に耐えられるよう考慮す。
とはいえ、ピッタシなクッションがなく、あれこれ試した末、マイ・マザ~の遺品の1つだった手芸用の綿包みを活用。
腰にピタリと合うよう綿の量を加減して、痛みの緩和を考えた。
けども準備しているさなか、当の親族が餅を持って来た。
親族宅の界隈は年末年始は雪の予報で、近年の降雪は少量になっているけども逆にその少量が路面を凍らせてしまってヨロシクないらしい……、というワケで先方の方からやって来てくれた。
あらま~。意外な顛末にやや拍子抜け。持ち寄りというか、餅寄りだ。
以上のようなアンバイで諸々なありがたみを甘受し、2024年から2025年へと、当方も向かう。
いざや寝ん 元日は又 あすのこと
蕪村は来たる年と“今”を、どちらも大事なものとし、そう詠んでみせた。
一見は投げやりで放り投げたような感触があるけど、そうでない。
大晦日の晩の睡眠と翌日元旦を束ねて日々の大事さを、5・7・5に修めた蕪村の素晴らしき着眼と言葉のはこびに、心底ゾクゾクさせられる。
来年もよろしくおつきあい下さい。