アポロ11

 

 主要都市では既に7月、上映が終わってる。

 それがやっと岡山にやってきた。とはいえ期間はわずか1週間だった。それも毎朝9時50分からの1回きり。

 ま~、しかたない。

 この上映館は好きでない。プログラムを工夫し、大手の映画館では上映されない作品を揃えてガンバッてらっしゃる反面、堅たっ苦しく、ともすれば官僚的な空気が匂い、映画を大事にするあまり往々に客を粗末に扱う。結果、映画を愉しませてくれる装置ではなく、映画を見せてやるという感じ悪さがつきまとう。

 ま~、それも眼をつむり、朝1回きりのを観た。

 入場番号8番で、ボクの後から2人入ったから、10人での鑑賞という次第。

 少ないといえば少ないし、10人もと思えば多いかも……、とも思わないでもない。

 自分と同じくらいの年齢か、ちょいと上の年齢の方での10人。もっと若い、アポロ時代以後に生まれたピープルに接してもらいたいとも思うけど、ま~、しかたない。

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 1969年当時、NASAはハリウッドから70ミリ・カメラとカメラマンを呼び、膨大な量の記録撮影を行っていたものの、それを編集するでもなく、撮りっ放しのままに倉庫にしまい込み、いつのまにやらただの備品扱いにして、今に至ってたんだから、どうかしてる。

 11号での熱狂は12号で既に冷めはじめ、13号ではテレビ中継もない状態だったのが、あの事故でもって世界を心配させたものの、14から17号では月への憧憬と冒険への興味は急速に沈んでいった経緯を思うと、撮ったものの、使えぬままにという状態になったのも判らないではないけれど……。

 そのフイルムが再発見され、さらに他の記録映像と混ぜ合わせて、こたびのドキュメンタリーとなったワケで、ともあれど捨てられずに保存されていただけでも後世の者にとってはありがたい。

 

 同じような試みとして、2007年にロン・ハワードが、やはりしまい込まれていたフィルムを復活させてドキュメンタリー『ザ・ムーン』を製作して、それもまた秀逸な編集だったけど、こたびのは編集のワザもさることながら、何しろ元の素材が70ミリなんだから、絵の情報量がでかい。

 クリアにして明瞭な画質、ついさっき撮ってきたみたいな鮮烈が随所にあって、眺めいってるだけで、時間を忘れちゃった。

 とりわけ打ち上げまでの前半が素晴らしい。

 

 

 あの赤い発射塔の各フロア随所に取り付けられていたテレビカメラの白黒映像もこたびは本ドキュメンタリーにうまく組み入れられ、これを観てはじめてやっと、どう、カメラが機能していたかを知らされたりもした。

 

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Paper Modelにみるカメラ配置

 

 自明のことながら、月に到着してからの映像はいささかツマラナクなる。第3者としてのカメラマンは存在しないのだから、ま~、それはしかたがないけど、地球での打ち上げの様子が潤沢に撮られているだけにギャップを意識しないでもない。

 とはいえ、そんなことに不満はない。

 

 あるのは……、観終えた途端に物足りない感がやってくるコトだ。

 当然にアポロ計画の全容が2時間弱のドキュメンタリーに封入できるワケではないのだけど、ベチャっといえば、もう一膳、ご飯いただいていいすか? みたいな満足の延長をもっと味わいたいゆえの物足りなさがあるのだった。

 たぶんボクは全容を掌握したいのではなく、たとえば、飛行士達が鉄塔に到着し、エレベーターにのり、エレベーターを乗り換えて一気に9番スゥイング・アームのフロアまで運ばれ、そこから塔の外周の通路をめぐってアポロの搭乗ハッチに至るまでをカメラで追うというような……、部分の克明詳細を味わいたいのだろう。

 

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 映画を観に出向いた日、CNNNASAの新たな宇宙服の発表会を報じてたのは、タイムリー。

 アポロ11号から17号に至る探査でもって、月の表層は実に細かいパウダーで覆われているコトが判ってる。それは概ね、月が誕生して以来続々と衝突し続けた隕石やらの木っ端が積もりに積もったものなのだけど、温度差は極度なれど風のない世界……、風化して次第に丸くなるという現象が起きない。なので微粉末状とはいえガラスの粉みたいなアンバイ。表面はギザギザにささくれてる。素手で触れたり吸い込んだりしたら、きっとエライことになるだろう。

 地球上では、ジーンズで地べたに座った後は素手でホコリやら土を払い除けりゃ済むけど、月でそれをやると、きっとチカチカした後で手のひらだかに血がにじむ。

 なので長期滞在に向いた宇宙服もまた必需。アポロ計画での月面状況を踏まえてのスペーススーツ進化は、待望されたものだったろうし。

 映像を見るに、こたびやっと自力で前屈みやら、しゃがむことが出来るようで、喜ばしい。色使いは微妙にヘンテコとも思うけど、ま~、いいや。

 

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CNNのニュース画面より

 

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 この前、台風19号の災害対応として政権は、予備費の支出を決定したけど、額面をきいて唖然。

 たったの7億1千万だよ……。

 一方で、『桜をみる会』の来年度支出が5千7百万を予定というんだから、バカにしてら~。

 それで野党が「いかがなものか?」という次第だけど、解決させるのは簡単だ。

 税金使った上で意図的に選民し、芸NO人なんぞを呼ぶ必要も必然もないわけで、『桜をみる会』に行くなら御1人1万5千円ほどの「祝儀」を必要にすればいいんだ。

 安倍は1万人を目安に選民してるようだけど、ならば逆に、1万5千人規模で募集(政権が勝手に選ばない)し、当選した方々は1万5千円支払って、それで大好きな首相やらと握手したり携帯で写真撮って披露すりゃいいじゃんか。

 1万5千×1万5千の収益は2億2千5百万になる。

 初期運営経費は、事務局の郵送代がメインとなろうから、5百万もあればお釣りがたっぷりだろう。

 飲食経費など差し引いた後、収益はそのまま災害支援に即座に廻せばいい。

『桜をみる会』は安倍政権がはじめたワケでもなく、1952年から延々とやってる「慣習」に過ぎなく、この政権になって費用がアホみたいに膨れてるだけのものだから、止めてしかるべきだけども、継続するなら祝儀なり会費を集めて行え……、と思うね本気で。それではじめて”桜マーク”って~感じ。

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