高知の須崎から帰って数日後、自分用土産に買った橋本食堂の鍋焼きラーメンのパッケージをあけ、同じく須崎で買った竹輪をいれて、土鍋で煮た。
生卵にネギに鶏肉と同じ具材も揃えたけど、店で味わった味と……、絶妙に違うのですよね~、こういうのは。
あの時に味わった店のそれじゃ~ないぞと舌が残念がるんだ。

少々ココロ曇らせて写真を撮ったら、写真は写真で湯気に曇ってしまった。
でも、このパッケージ仕様を橋本食堂そのものに持ち込んで調理してもらったら、
「ぁぁ、これこれ、これですよ〜」
B面がA面に変じるんじゃなかろうか。感覚というもんは、あやういもんだ。
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なにかと話題の「皇室典範」改正案は、明治(1889)に制定された「旧皇室典範」を戦後の日本国憲法の施行に合わせ、昭和22年(1947)に改変し移行させたものを、さらにこのたび改造しようとの企て。
条文化された改正案を眺めるに……、法律文なんぞにエンのない当方にさえ、
「何じゃこりゃ!?」
ワケわからないグッチャラケというコトのみが、鮮明に浮いて、
「ぁ、アホかいな」
目ん玉クラクラなのだった。
まずもって、皇室典範そのものの大改修じゃないというのが変テコだ。
つけ足しなんだ。小細工を弄するというか、抜け道を作るというか、こんなアンバイだ。
(1) 皇室典範第9条の規定にかかわらず、親王、親王妃、内親王、王、王妃および女王(皇嗣および皇嗣妃を除く。)は、皇室会議の議を経て、皇室典範による皇族男子であった者の嫡男系嫡出の子孫である現に皇族でない年齢15年以上の男子であって、配偶者および子がないものに限り、養子とすることができるものとすること。
(2) 皇室典範第15条の規定にかかわらず、(1)により養子となった男子は、皇族となるものとすること。
(3) 皇室典範第1条および第2条の規定にかかわらず、(2)により皇族となった男子(以下「養子皇族男子」という。)は皇位継承資格を有しないものとすること。
(4) 皇室典範第17条の規定にかかわらず、養子皇族男子の摂政就任順序は内親王・女王の次とすること。
(5) 皇室典範第11条第1項の規定にかかわらず、養子皇族男子については、その意思に基づき皇族の身分を離れることができないものとすること。
もうこれだけで、
「うっそ~、ワケわかんない」
じゃ~なかろうか。
条項はとても厳密なものであるハズなのだけど、「規定に関わらず」というのを続々に追加列記する愚鈍っぷり。
「讃岐うどんは讃岐のうどんであること」という条項規定があるとして、それに対して法自身が、
「規定に関わらず、讃岐のラーメンについてはこれをうどんとすることができる」
みたいなグンニャリっぷり。
くわえてヒドイのは、5番目、皇室典範第11条第1項(15歳以上の内親王・王・女王が、自身の意思に基づいて皇族の身分(皇籍)を離れることができる)の規定にかかわらず、養子皇族男子については、その意思に基づき皇族の身分を離れることができないものとすること。
何? えっ?
これを例えると、養子縁組したラーメンはうどんとなるや、その身分から離れることは出来ないというコトになりますでしょ。ラーメンに自由はないワケよ。
なんじゃこれ……。
とにかく、肝心なコトを改正しようというのじゃないワケだ。
肝心なコトというのは現在の皇室典範の第1章・皇位継承のその第1条・皇統に属する男系の男子が、これを継承する。
という、ここでしょうに。
男子が継承しなきゃ~いかんという旧態をこそ直すべきで、なぜ女性がはぶかれる?
えっ? なぜ?
この明治時代から続く第1条をこそ取り除くべきハズなんだ。
ただもう、ゴソゴソとワケわかない「規定に関わらず」という魔法呪文の付け加えで、逆に皇室典範を骨抜きにしているワケだ。
「規定にかかわらず」というコトになれば、も~、なんでもありじゃないですか。赤信号は止まれと規定してますが、かかわらず車進めてもいいです……、ってもはや作文ともいえないレベルでの改正案……。
ムカムカしちゃったよ。

芥川龍之介に、「女」という小篇がある。
当方、彼の作品では「かちかち山」に次いで好感している作品。
両方とも、ほぼ詩といっていいイメージの繚乱。
「かちかち山」の方はあの「かちかち山」を完膚なきまでに解体し、透明な言葉でもって再構築して童話という形状そのものを高らかに昇華させた名品と当方は思ってるけど、「女」もまた驚くべきな芥川マジックというか、主人公は雌のクモ。
で彼女が薔薇の花に潜み、やってきて蜜を吸い取りにかかったハチを殺害するといういささかおぞましいシーンで文章が駆け出す。
残酷な沈黙の数秒が過ぎた。
と芥川は短い吐息のような1行を置き、やがて、そのメスのクモが出産し、おびただしいクモの子たちが闊達な生命力をみなぎらせている反面に、彼女は影のごとく痩せてうずくまり、産所と墓とを兼ねた、薔薇にはった紗のようなマクのなか、天職を果たした母親の限りない歓喜を感じながら、いつか死についていた。
そう印した後に芥川はこう結ぶ。
__あの蜂を噛み殺した、ほとんど「悪」それ自身のような、真夏の自然に生きている女は。
なんともはや見事。「雌蜘蛛」とかなタイトルじゃなく、「女」とし、その生と性を自然の営みの中のものとして観察し、文学とした天晴れ。
皇室典範改正案と芥川の小品はなにも関連しないし、較べるべき筋合いもないけれど、女性天皇を阻止したいがための意固地と下劣な無惨と、芥川の異性への驚嘆と敬い。その一言一句の中のガラスのような透明さの違いは大きすぎ、ただただ当方、哄笑する。
苦笑じゃなく哄笑する。
































































































































