工作再開

 

 過日、柔道家と合流。よ~よ~やっと「ゴジラ-1.0」を観る。

 アカデミー賞の凱旋効果というか、ほぼ満席状態で慶賀なり。

 鑑賞後に柔道家がめずらしく、売店でパンフレットを買い求め、

「いやぁ、良かったわぁ」

 メンタマ細めるのを見て、よしよしラーメンおごっちゃるとコチラもいい気分。

 旧2号線沿いのとん亭でアゴだしラーメンすする。柔道家は大盛り。

 こういうのを映画の経済効果というんだろうか。

 しか~しそのさい、クレジットカード1枚が見当たらないのに気づき、あわてる。

 近頃はネット上で操作するから実のカードはほぼ用なしな存在ではあるけど、いざ紛失となると、やはり落ち着かない。

 再発行手続きをして事なきを得たけど、近頃よくよく健忘ぎみ……。何かのおり、ちょっと置いてそのまま……、という次第だったんだろうが、記憶なし。

 イカなぁ。注意散漫というか、注意力が減退してるんじゃなかろうか、髪の毛同様にぃ〜。

 

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 2月末頃に内装などの小さなパーツを創ったものの、以後放置というか、手つかずだったスペースクリッパー「オリオンⅢ」の模型にまた向かう。

 部屋の一角にそのまま広げ置いたままなので、それこそパーツ紛失につながる怖れ有り。

 そんな次第ゆえ、模型に向かう電圧を上げてやろうと、映画『2001年宇宙の旅』公開頃の時代背景を再勉強。体内というか脳内の短針長針をば、1960年代末にまで巻き戻し、時系列を追想した……。

 

1967年 

3月  ジャッキー吉川ブルーコメッツ「ブルー・シャトウ」ヒット

5月     ビートルズ「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」販売

                 

6月      岡本太郎 大阪万国博覧会テーマ館展示プロデューサーに就任

           太陽の塔建造プランを練り始める

        映画『007は二度死ぬ』公開

       同月25日。人類史はじめての世界同時衛星中継でビートルズ生出演。レコーディングを兼ねて、『All You Need is Love』初披露。バックコーラスにミック・ジャガーやドノバンなど

10月 米国の『モンキーズ・ショー』日本でも放送開始

11月 ジェファーソン・エアプレインの『ホワイト・ラビット』と『Somebodey to Love』米国外でもヒット

    反商業主義的かつ平和希求の先鋒表現だったフォーク・ソングからロックへの流れが加速。ロックンロールではなく広義な意味合いでのロックや、サイケデリックといった単語が定着しはじめる

12月 フォーク・クルセダース『帰って来たヨッパライ』空前の大ヒット。アングラ・フォークの自主レコード製作が野火のように拡がる

        

1968年 ベトナム戦争泥沼化

    テンプターズ「神様お願い」、ビージーズマサチューセッツ」、ビートルズ「ヘイ・ジュード」、ドアーズ「Hello,I Love You」、パープル・シャドウズ「小さなスナック」などヒット 

    大学紛争が全国的にひろがり、全共闘と機動隊という組織名が跋扈しだす

4月 キング牧師暗殺 黒人運動とベトナム戦争反対の闘争激化

    映画『ザ・タイガース世界はボクらを待っている』公開。劇中歌の「銀河のロマンス(シルヴィー・マイ・ラブ)」と「花の首飾り」ヒット

    映画『2001年宇宙の旅』公開

6月 ピンクフロイド「神秘」発売

    1曲め「Let there be more light」の歌詞に「サージェント……」の「ルッシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンズ」の一節を含み入れる

    映画『卒業』日本公開 「サウンド・オブ・サイレンス」大ヒット

9月  岡本太郎 第五福竜丸被爆事件をモチーフにし巨大壁画「明日の親和」の製作をメキシコで開始

10月 アポロ7号 アポロ計画でのサターンロケットの有人打ち上げに成功。

11月  沖縄米軍嘉手納基地からベトナムに向けて離陸しようとした爆撃機B-52が滑走路で墜落。4km四方を巻き込んだ大災害(搭載した枯葉剤爆弾による汚染?)らしきだが日本政府への精緻な報告なし

12月 アポロ8号 初となる有人での月周回。地球を離れ、他天体軌道を周りつつ人類史初となる球体・地球の撮影に成功。暗い1年の最後に持たらされた宝石のような写真としてタイムの表紙を飾る

 

1969年 由紀さおり「夜明けのスキャット」ヒット。ローリング・ストーンズ「ホンキー・トンク・ウィメン」ヒット

1月  ビートルズゲットバック・セッション」を開始

3月  連続TVドラマ『プリズナーNo.6NHKで放映開始

              (英国では1967年~68年。最終話でビートルズの楽曲が飛び出しお祭騒動)

4月  ビートルズ『アビー・ロード』の製作開始

5月  アポロ10号 月着陸への予行演習。高度16kmまで月に接近

7月     アポロ11号初の月面着陸

     映画『イージー・ライダー』公開

     映画『橋のない川』公開

8月    ウッドストック・ロック・フェスティバル開催

11月    アポロ12号 打ち上げ時に雷の直撃を受けるも2度目の月着陸に成功

      三島由紀夫 東大教養学部全共闘との討論会

 

1970年 皆川おさむ「黒猫のタンゴ」、「ドリフのズンドコ節」、「圭子の夢は夜ひらく」、「レット・イット・ビー」、ショッキングブルーの「ヴィーナス」などヒット

2月  映画『明日に向かって撃て』公開

     東映、日活などヤクザ映画量産

3月  エキスポ70 大阪万国博覧会オープン

           8ケ月前に地球に持ち帰られた月の石をアメリカ館が展示

4月  アポロ13号。地球から32万kmの彼方で酸素タンク爆発の事故。

           ミッションは中止となるも無事帰還。

9月  ユージン・スミスが水俣を訪ね、以後3年、写真を撮り続ける。同地でのチッソ側からの暴行で後遺症が残る大ケガを負うものの1973年の写真展、翌年のニューヨーク・タイムズからの写真集出版で水俣の凄惨を世界レベルで知らしめる

11月  三島由紀夫陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決

 

 などなどなど……、今まで意識していなかった時代の流れをチョビっと掌握し、

「そっか~、ビートルスはアポロの月着陸の前だったかぁ」

 ゆるく感慨にふける。

 あわせて、60年代末頃のパンナムの写真などをあらためて見直し、当時のそのカタチが上手に「オリオンⅢ」にも適用されているのが判って、ニッコリほほえむ。

 客室乗務員の客への手厚い配慮とサービスも踏襲され、宇宙船の客室部分の足元にチラリと赤系の色が見えるのも、当時のパンナムのファーストクラスのそれなのだった。 

             60年代末頃のパンナムのファーストクラス席 

 快適で豪奢な旅の提供というパンナムのカタチをキューブリックは映画の中にチャンと塗布していたワケなのだ。

 

              60年代末頃のパンナムのラウンジルーム

 

 顧みるまでもなく、「オリオンⅢ」の先端部は現在の新幹線に近似たカタチ、60年代と2024年現在が絶妙につながっているのも判って、嬉しいような、でも一方でヤヤつまらないような、微妙な感触も受ける。

 映画公開時、2001年は33年先の未来だったけど、キューブリックは隔絶に段違いの未来像でなく60年代延長上の33年先を描くコトでリアリティを増加させ、その上で、あの遠方への飛翔と人類進化を示唆したクライマックスでもってSF映画そのものを大進化させたワケだ。

 ま~ま~、そんな下ごしらえ的モードを踏まえて、いざや模型工作復活。

 LED電飾を考慮し、台座を製作。組み上げると全長が80cm程の模型ゆえ、アイリスオーヤマの頑丈な天板家具を買って、穴あけ加工し、20mm径のアクリルパイプで機体を支えることに。

 電飾工作のための「図解」を描いて、こっそり、楽しむ。私、こういう図解がめっぽう好き……。

 図解を元にLEDやら内装パーツを仮組み。

 台座のスペースを眺めてる内に思い立ち……、同じパーツを2つ創る。ま〜、これらをどうするかは、また次の機会にでも。