パッションフルーツ室内へ

 実は自然に落ちるのが良い。その時が味わいの旬という。

 けども今年は落ちなかった。ツルが伸び、1Fの窓を覆って2Fのベランダの足下まで葉が茂っていたというに、幾つも実って、落下(落花じゃないよ)を待ったけど、1つも落ちないままに気温急降下。

 急冷な夜の連続で、早やたちまち、葉が黄ばんでる。

 

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 結局なんだろ? この植物のサイクルと気候サイクルが合致しないんだ。

 実が落ちないままながら、しかたない。昨年より10日ばかり早いけど、2本のパッションフルーツをアウトドアからインドアへの移動作業。

 南洋の植物、寒さにゃ弱い。ひどい暑さも嫌うけど、防寒力は皆無。凍死させるワケにはいかない。

 

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 大きく刈り込み、枝も短くし、土中の根ッコを掘り出す。

 といっても、毎度、鉢のままに土中に埋めるので、掘り出しはあんがいと楽。

 なぜに鉢ごと埋めるのかといえば、この植物は細い細い繊毛を張り巡らせるんで、他の植物に干渉するんだ。白く細い毛細血管みたいなのがクモの巣状に伸び散らされるんで、これは困る。茶の木もこんな根を張るらしいけど、茶は育てたことがないんで、よくは判らない。でも、ともあれ、四方八方に根は拡がる。

 なので鉢底の穴からのみ、やや深い所でもって根を拡げなさい……、との育成方法。気の毒な感じもありはするけど、しかたない。

 

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 その土中に拡散した根を引き抜き、カットし、今期のアウトドア生活に別れを告げさせる。

 20ケ近く実ってたのは伐採時に取り集めてやった。

 鉢底の根もカットし、受け皿を敷いて、これから来春過ぎまで、また部屋で休眠だ。

 

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 室内ではケッコ~過保護に扱う。夜中にゃ、暖房も入れてやる。入れてやらなきゃ、室内でも冬を越さない。

 なんでそうまでして、これを大事にするかといえば、庭で陽光浴びてスコスコ育ってる時の葉が、いいのだ。

 葉っぱが大き過ぎず小さ過ぎずで形良く、緑が濃く滑らかで艶があり、硬すぎず柔らか過ぎずで、それが密茂した見た目が良いし、触った感触も我が好み。なのでホントは実はどうでもいいのだ。まったく関心ないワケではないけど、食べられなかったぁ~と口惜しむ気にはならない。

 ともあれ冬支度。アウトからインへのこの作業で季節の変わりを意識(かくご)する。

 

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 実はみずから落ちずで熟しきっていないけども、半分に割って、真綿でくるんだような中央部の中身をグラスに注ぐというか、かき出し、麦焼酎とあわせると濃い酸味にくるまれた酒になる。さほど美味いワケでもないし、小粒な種までがグラス入りだけども、ま〜、その独特な風味、南洋的酸味がちな滋味を我が舌がおぼえるというのは、悪くない。クリクリッと指でかき混ぜてゴックンしちゃえば、イイ。