数日前。朝7時。暑くならない内にと車駆けらせ、津山線牧山駅方面に向かう。
東岡山駅の裏側を北に駆け、牟佐の刑務所横手を過ぎて高速山陽自動車道をくぐり、旭川沿いを走ると、わずか18分ほどで着いてしまう距離。
うちからアンガイと近い。
最近まで、そこに旭川を渡る歩道橋があるというのを知らなかった。
近年は規模の大きなヒマワリ畑があるのでヤヤ有名になっているらしいけど、訪ねた日は、大部分のヒマワリは刈られていて、シーズンを終えた直後のようだった。
部分にはまだ残ってるけど、ま~、いいさ、橋を見に来たんだからな。
大水となって川が大荒れのさい、流木などが引っかからないよう極力に低い位置に造られ、かつ橋そのものが流れてもいいように想定されている。だから正しくは、
「大久保暫定潜水歩道橋」
というらしい。
水面にごく近いトコロに架かっているから、水の上を歩くような感じがチビっと味わえる。
川幅およそ200mほどを牟佐側から牧山側へと渡り、また引っ返す。
中央で立ち止まり、オニヤンマが休んでいるのを横目に、川の流れをしばし見詰める。
陽射しが強く、それが川面に反射し、目映い。すでに暑くなりかけている。
残暑お見舞いと云うけど、残暑はもはや10月にならなきゃやって来ないぞみたいな暑い予兆の朝。
ジンワリと汗ばんでくるが、近場にこのような景観があるのを悦ぶ。
川は悠々と流れる。むろん、荒れる時もあるけど、常に流れて下っていく不変が、イイ。
橋の脇に2艘の小舟があり、静穏なこの佇まいも好感だった。
昭和40年代、高度経済成長時代の開高健は、
「悠々として急げ」
という名言を残したけど、当方、
「悠々として急がない」
気分にひたる。
橋を見終えても、まだ8時15分。モーニング・サービスでも頂くかぁ~、倉敷珈琲・山陽町店に駆けてったら、なんと10数名が席待ち状態……。
普段から並んで入店したりを嫌ってるけど、ま~、せっかく来たんだからと、名を書いて列にくわわる。
20分ほど経っても席あかず。
待ちの列はさらにヒトが加わり、長くなる。山陽店は人気スポットなのか……?
お席の方チラリ見遣って、珈琲飲み終えても新聞読んでるおじさんや、朝からおしゃべりに興じる女の子グループの姿に、
「悠々とせずササッと、ネ」
しかめっ面になる。
い・け・ま・せ・ん・ねぇ。
悠々を食むための喫茶店じゃんかぁ。なのでやはり、
「ゆウたりィ〜 デェ いイよ~ん」
パリィ〜はル〜ブルのカフェ ド フロール辺りでくつろぐアラン・ドロンみたいな古老の、鼻に抜ける発音で、気分替え。