大ハード

 

 腰痛抱えて過ごした年末年始。

 元旦はいつも通りに早起きし、朝酒におせち、ついで雑煮を味わって後は甘睡にひたるという寝正月。

 腰痛さえなければホボ最高の元日、と云いたいような弛緩の極み。

 翌2日には某所某BARでの新年会があったけど、腰痛悪化を気遣い欠席。

 元旦同様に、朝酒に雑煮。でもって昼寝。

 翌3日は、急遽なコトながら友人のおかあさんが元日に亡くなったとの報。まだ正月、くわえて週末というコトゆえ通夜や葬儀は数日後……。

 そんな次第あって懇意数名で早めに出向き、御霊前で合掌。まだまだ元気で過ごして欲しかったと、つくづく悼惜する。

 その足で、我がファ~ザ~とマザ~の墓所に参る。ごく近いのだ。

 同じ墓所に敬愛していたマ~ちゃんも眠っているので、併せて皆で手をあわせる。

 4日の午後、禁酒会館で今年初のライブ鑑賞。

 taca SHIMIZUのアコーディオンを聴くのは何年ぶりかしら? たしか城下公会堂で聴いたのが最後。

 久々のtacaの音色。中村尚美のウッド・ベースと歌声が足元を固め、緩やかな流れがかもされて好い気分。

 tacaが住まうパリのセーヌ川を想起する……、というようなメルヘンは想わないけど、踊ったり跳ねたりしなくてよいスロ~な楽曲構成が、腰痛の身にはありがたい。

  終演後、懇意と久々にユルリと話せたのも嬉しかった。この日が彼女の誕生日というのを後で知ってガッチョ〜ン。こりゃ迂闊。

 後日、何かのカタチで祝おう。

 5日。

 柔道家が年末にパチスロで尋常でない額を儲け、日々の御礼だ、還元したい、ゴハンおごります~、というので仕方ない(苦笑)。

 スシローや倉寿司より3~4倍ほど高い「いわ栄」で御馳走になる。

 柔道家はパチンコ愛好家ながら、43万円も儲けたのは初めてとのコト。

 当方、パチンコもスロットもやらないけど、さすがにその額面にはビックラこいた。

 こいた次いでゆえ、出来るだけ高い握り寿司ばっかりを注文しては、ニッタリ笑う。遠慮はせんぞとケケケと笑う。

                 のどぐろの握り 

 ちなみに柔道家は大金をゲットした翌日、インフルエンザ感染。

 高熱で1週間ほど寝たきりだったらしく、

「バチがあたったワケじゃね」

 と当方は申しあげ、

不労所得はサッサと使うべし」

 ドンドン寿司をオーダーす。

 柔道家は、

「いや~、それでも打ち止めになるまで、6時間、かかりましたでぇ」

 と申す。

 6時間もスロット台に向き合うのは、ま~、たしかに不労というワケでもなかろうけど、当方には、

「長時間、パチンコ屋さんに坐ってたかぁ~」

 でっかくハード、壮大な不労というか浮浪が念頭に浮くんだけど、いいさ、そんなこた~。

 おごられる以上はテッテ的ここぞとばかり、高額な握りをば注文しては、口にはこぶ。

            酢締めのこはだ。この1皿1巻で980円くらいだったような……

 ダイハードといえば……、年末31日に九州から訪ね寄ってくれたO森夫妻の土産の1つが、驚きの大ハード。

 しばしパッケージを眺めいって腰痛を忘れ、笑った。

 

 大牟田の道の駅「おおむた・花プラス舘」のオリジナル・カレー。

 発売するや、九州方面ではえらく話題になったそうだが、このパッケージ・デザインがO森ワイフで、手にしているベレッタは、企画を聞いたO森君が、

「映画通りの銃でなきゃ~イカン」

 わざわざモデルガンを買ってワイフに渡し、小道具としたらしい。

 スキンヘッドのオヤジは実はこの道の駅の社長で、ま~、詳細はちらあたりに書かれて いるので参照されたいが、とんでもね~なぁ。オモチロイことヤリおんなぁ~。しばし笑いが続いた。

 元植物園の巨大温室を流用した道の駅ながら、福岡方面では売り上げ最下位というコトで逆に高名で、そうであるなら、これはど~よというハチャっぷりのパンチが効いてらぁ~。

 このラーメン・パッケージのイラストもO森ワイフの仕事。

 O森君は佐賀・熊本方面のイタリア車に乗る方々の頼りがいのある整備士で、こたびの来訪時も、我がFIAT500の前輪を一瞥しただけで、

「ブレーキパッド、そろそろ交換した方がいいですよ。純正は高額だから、後日に廉価なのを紹介しますよ」

 と、心強い人物。

 O森夫妻め、地域に根ざした楽しい仕事してくれてるなぁ。すっかり嬉しくなったのだった。

 

 ちゅ~ワケで、今年は当方も大ハードで活くぜっ! とストレートに思ったりはしないけど、どことなく、気分が感染。元気よくいきましょう、と自分に言い聞かせたこのお正月。

 エンツォ・フェラーリがこよなく愛したワイン「LANBRUSCO GRASPAROSSA」も頂戴し、さぁコレ吞んでまた昼寝だぁ~と、密かに赤い舌を出して笑う。