あがた森魚を味わう

 

 9月末日、中国銀行本店広場での「ちゅうぎんまえマルシェ&ジャズナイト2023」を終え、翌日10月1日はくたびれダウン……。

 朝の早よから夜遅くまでアレコレ裏方仕事ゆえの、でも心地良さがたっぷり含まれるくたびれ。翌々日も身体中カッタルかったけど、ま〜、これはトシのせいでしょなぁ。

 場を提供くださった中国銀行本店に、色々な制約有りの不自由の中でマルシェに出店くださったお店に、会場にお越しくださった多くの皆さんに、共に励んだスタッフに、とっても感謝です。

 当方ここで、一つ句点を打ち、20数年間のながい一章を終え、第二章を紡ぐべきと、裏方を引退

 銃後に後退しますけど、OJFは続きますよ~ん。

 

          昼下がりのゆったり時間。マルシェ・ステージのヒトコマ

     夕刻から晩9時までの本ステージ。想定外のアンコール連打で、熱い夜になったですな

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 庭の小池。

 布袋草(ホテイアオイ)が淡いパープルの花をつけ、いい感じ。

 池の改装後に何株も投入したのが大きくおごり、子株をつけ、金魚の遊泳を阻害する繁茂っぷり。

 

 

 キンギョ迷惑ながら、猛暑がもたらす水の汚染が激減し、ヤッカイな藻の発生がほぼゼロとなったのは、ありがたい。金魚とてスイス~イとは泳げないものの、鳥やら猫に狙われるストレスがなく、これはこれでイイのではないかと愚察する。

 

 

 それぞれの株がいっせいに開花したら、そこそこなビジュアルになろうと思うけど、どういう次第か、いっせいには花咲かない。

 一輪が失せる頃に別のが花1つというアンバイで、ま~ま~、これはこれでながく眼をなごませる。

 水温が10度より下回るとホテイアオイは枯れてしまうけども、まだしばらくはこのグリーンの水面を楽しめる。

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 昨日、あがた森魚の『一千一秒音楽旅行2023』の岡山公演。

 壱番館の客席で堪能。

 あがたを観るのは何年ぶりかしら? 

 でも久々な感じ、ナシ。

 あいかわらずの姿と声に、淡く酔う。

 

 サポートの井山あきのり君も久々。アコーディオンとピアノとバックコーラスと彼一流のスマイルが最高にグ〜〜ッド

 

 50年余り前「赤色エレジー」でデビューした直後はさほど関心しなかったけど、やがてその後の、彼のアルバムの独自性の屹立っぷりたら、すごかった。放射される森魚カラーに圧倒され続け、

「なんじゃ、この世界観は……」

 と、たちまち惹かれ、今も続いてる。

 ミュージシャンという枠でなく、「表現者」という大きな枠の中でボクは彼を好んでる。あがた森魚を1つの「カルチャー」というか「文化」として観ているような気がする。 

 文化の定義はとても難しいけども、少なくとも当方の中のあがた森魚は確固不動な文化事象だと思っている。

 2枚組大作『日本少年』という希有なアルバムの数年後には、『君のことすきなんだ』というような歌謡カバーを出したりと、その振幅のでかさに驚かされ翻弄され、

「なんじゃ~、これは」

 激烈に愉しませてもらったりもした。ヴァージンVSの頃も雷蔵の頃も好感かわりなし。

アイドル量産をおちょくり、自らアイドルに扮してのジャケットにゃビックリ。されど揶揄の視線と同時に、アイドルに投入された良性の曲をば拾い集め、あがた流歌唱で1枚のアルバムとした、陰陽合致な姿勢に驚いた『君のことすきなんだ』……

 

 あがた森魚を「表現者」だと意識したのもそのあたりかな……。アーチストの名に価いする存在と意識したのもその頃だ。

 そんな人物が昨日の晩、表町の瀟洒な店で、唄っている。「表現者」ゆえのヤヤ厄介な面も見せつつ、唄ってる。

          『噫無情(レ・ミゼラブル)』に『浦島』どちらも愛聴……

   岡山公演を実現させ、井山君と同じくスマイルでギターサポートした黒瀬氏のパワーにも感服

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 今年、岡山市には大きな新しいホールが出来上がって、

「文化芸術の発信地に」

 とか、

「みんなが主役。ハレノワ、はじまる。」

 とかのキャッチ・コピーを弾ませてるけども、「みんなが主役」という、そのみんなはどこにいるのだろう? 

 

 

 おしきせから、文化は生じない。

 三丁目劇場を作ったものの僅か13年の維持しか出来ず、かつ、こたびは岡山市民会館という素晴らしくチャ~ミングなホールを捨てて新たなのを作っただけの、「文化」の名を冠にしただけの、いわゆるハコモノ行政というのが実態じゃ~なかろうか……。

 久々にナマのあがた森魚を聴きつつ、会場となった小さな場所と、そこからすぐ近くの新たなでっかいホールというか市の劇場を、対比的にアタマの中にならべ、

「なんじゃろね?」

 首かしげた。

 

 たまさか今、移転を余儀なくされたライブハウス・モグラが、新たな場所を確保して、リスタートのさなかだけど、大予算費やしたハコよりも、クラウドファンディングで資金調達なんぞの苦労と努力を重ねて前進しようとする市井のハコに、「カルチャー」の意気込みと希望と夢が宿っているよう思えてしかたない。

 そも、ミュージシャンにしろペインターにしろライブハウスにしろ、あるいは私設の図書館や画廊にしろ、「表現する者」として「表現できる入れ物」として腐心はしても、上段構えの「カルチャー」やら「文化」なんて意識しないもんだ。云いもしないもんだ。

 むしろ意識しない活動が結果として根をなが〜く伸ばし、土に喰い入り、良い花をつけていくような気がしていけない。良さげな体温の本当の文化として。

 

 上写真。新場所で新装中のモグラの2階ステージ。引っ越しに伴い数多のモロモロをやむなく廃棄したけども、この初代 iMacだけは捨てなかった 、捨てられなかった、オーナー福武氏の気分……、すご〜く判るんですのよ。私も捨てていない。

 マシン・スペックは既に今現在のものじゃ〜ないオールドなものだけれども「文化ってどういうモノかしら」の1つの啓示というか、度合いを示すようでこの写真、象徴的。

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 一週間ほど前の午後、久しぶりにMINIが里帰り。

 嬉しいねぇ

 あいかわらずオイルは漏れるし、エンストするし、クーラーは効かずだそうだけども、新たなオーナーに愛されている。

 良いヒトのところへ嫁いだもんだ。いや、嫁ぐというのは違うな。新オーナーは女性だもんな。マーク・トウェインを研究し、文学系教授職を目指してる。トウェインの痕跡を追って近々に渡米もするそうだ。

 ま、今回の里帰りは彼女のパパ(お父さんね)が運転してやって来たのだけども、パパはパパで大いに励んでる。

 この8日に玉島で「OKAYAMA HOBBY FESTA(おかホビ)2023」という模型の展示イベントをやるそうで、当方宅にある模型を何点か貸して欲しいとのコトで、やってきた。

 いいじゃ〜ないか。貸し出せるモノはどんどんお貸ししましょうぞ。

         

 ぁあ、でも、忘れてた。

「たまに……、MINI里帰りでそのまんま、二泊三日くらい、貸してよ〜ん」

 つぶやくの忘れてた。