宇野バスにのって

ちびりっと前の午後、宇野バスに乗ったら、これがバリバリの新車。
で、妙なところに青いランプが光ってる。



なんとまっ、電源コンセント。
新幹線みたいなサービス仕様。



宇野バスはWi-Fi対応だし、スマートフォンを充電しつつというコトで、素敵だチャ〜ミング。
ま〜、スマートフォン依存じゃ〜ないんでボクは利用はしないだろうけど、1時間以上乗車の遠方の方には重宝。
でも、なんか座席が増えたのかしら? 1席あたり足場面積が妙に狭くも感じられ、もしそうであるなら、ペケ。
ヒザが前席にあたって気になるようじゃヨロシクない。


この冬は街中に出るのに自転車を使わなかった。
昨年ハロウィンの朝に転倒して顔面クラッシュいらい、ずっと。
1つには用心のため。1つには寒さがキビシかったゆえ。
おかげでよくバスを使い、時に奇妙もおきた。
奇妙といってもたいしたもんじゃなく、表町入口のバス停で最終バスを待ってたら、やはり待ってる男性に声をかけられ意気投合。
その方は原尾島で下車し、ボクはさらに遠方へと運ばれるという次第だけど、ボクより若いと思ってたそのヒトが67歳だと、車内で云うのでチョットおどろいた。
なにやら60年代末頃グループサウンズをやってたような金髪に細身のパンツで、淡いレトロ感があり、話す内容もボクの趣味によく符合した。
だいたいバスに乗って見ず知らずと会話というシチュエーションはほぼ皆無だから、新鮮というより不思議っぽかった。
ごく短時間、およそ20分ほどの会話、互いに潜水艦のソナーみたいに反響音を探りつつではあったけど、ことごとくウマがあった。
いったい、ナニモノ?



とても妙な気がしたので、彼が下車時、背後からこっそりiPhoneで、パチリした。
先方も似た感触だったのかもしれない。原尾島のバス停で降りた方は、降りるや即座には歩かず、車をみあげ、動き出す車内のボクに一礼くださった。


3月1日になった直後の真夜中に、祝砲のように春雷。
雨と風。けっこうな強風ながら…、さすがの寒さも緩和していく気配。
昼夜の寒暖差はまだ大きいけれど、用事の次いで久しぶりに自転車で近隣散策。日中は手袋なしで駆けられる。
自宅からおよそ3Kmばかりの所にある、「北向き地蔵」。
由来不明ながら屋根の下には小さな地蔵が3体あり、この冬は赤い毛糸の帽子をかぶってる。
いつも花が活けられ、掃除も行き届いてるな〜と思ってたけど、たまさか地蔵を拝んでるオバサマあり。きっとこのオバサマも掃除やら花を用立てている1人なのだろう…。



今季は世界的に寒い冬だったようで、シベリアは氷点下68度というメチャになり、モスクワは大雪。パリも雪にまみれ、オリンピック会場ではあまりの寒さに観客少なし、米国南部ではワニが凍えて冬眠したし、CNNのニュースではフロリダの野性イグアナたちが凍って、次々に木から落ちてなくなったそうな…。



近年、太陽黒点がひどく減少しているそうで、日によっては黒点ゼロということもあるとかで、規模の小さな氷河期が地球に到来しそうだ…、との予測もある。
(2030年代には太陽活動が現在の60%にまで一時低下。地球全域で1.5〜2度気温がさがるとの予測)
直近のミニ氷河期(マウンダー極小期)は300年ほど前の17世紀にあり、世界平均で1.5度さがった。
およそ70年(1645〜1715まで)それは続いて、テームズ川やオランダの運河は凍結し、日本は夏場にやたら雨が多くなり作物が腐って大飢饉になったりした。そのために路上の屍肉を喰らうなど…、壮絶な絵が何枚も残ってるけど、むろんそんな太陽活動の科学などは知らない時代ゆえ、ヒトは神仏に頼るっきゃ〜なかった。
まっ、上に載せた本のオビのように、そうそう短絡で"決着"がつくほど、これって単純ではないとは思えるが。




1684年に描かれた油彩画。テームズ川上に小屋が建ち並び馬車がいる。よっぽどの厚氷…。


このミニ氷河期では樹木の育成にも影響し、年輪幅が密になったりした。
そうとは知らずに伐採した木が楽器になる。名器といわれるストラディバリスの数々は、ミニ氷河期を通過した木がボディになっているらしい。



樹木は体内温度の維持のため、ヒトが寒いときにやるようにキュッと身を縮めていたに違いなく、結果、楽器に向いた木材となった…、とおぼしい。
宮原ひろ子さん著の本に太陽がもたらした寒冷と木の関係が書かれてた。



寒冷だけでなく、年輪を見るとアレコレ判るらしい。
たとえば1964年の年輪をみると、その年に何が起きていたか判る。
東京オリンピックの年だけど同時に「部分的核実験廃止条約」が結ばれ、米国もソ連もその発効前に相次ぎピカドン核実験をやらかした。
それが如実に全世界の樹木の年輪部に”記録”されているそうである。そこにのみ異常が確認されるワケで、悪事の隠蔽はなかなか難しい。


一方、地球はこれまたヒトのなせるワザで温暖化に向かってもいるワケだから、さ〜、来年再来年と、冬や夏はどのように推移するんだろう?
次の冬がまた一段と寒いなら、ボクはまた自転車に乗らずに宇野バスだ。
行きに260円、帰りに260円。
ねがいましてわぁ〜では…、520円なり。
値上げなきよう、願う。