お酒を呑んだ翌日は・・

大事な友と金曜の晩に呑み出し、土曜の早朝の明るくなる直前まで、ビールにワインのフルボトルを3本に・・ といったアンバイでもって愉しい時間を過ごしていくと、大真面目な話でもって来年に向けての対応を語るという心積もりであったものが脱線につぐ脱線の末、スペースシャトルのタイルがごとくに諸々がボロボロと剥離もし、結論も出ないままにお開きという次第になって、でも、ま〜、オ〜君と呑めたからイイやぁ、わ〜タノチカッタァと嬉々として就眠したが最後・・  眼がさめん。
電話の音に気づくと、早や土曜の午後3時半を廻っているのであった。
胃はどんよりとして重く、頭も茫漠としていて、電話先のT君がそれに気づき、
「おやおや、昨夜はお楽しみであったようでござんすな〜」
と、クスクス笑う。
「あっ、わかる?」
「わかりますよ」
T君はお酒を呑まない人なので、お酒を呑んじゃう人の"使用前と使用後の変容"がスグわかる。

T君の電話の後、ボンヤリと座って、昨夜を振り返りつつテレビをつけると、ビルマでの射殺の報道がなされていて、方角の定めようがない怒りをまた覚えもする。
全世界の人が等しく共用できる"規範"がないままに人類は邁進してきちゃってるからなぁ、と子供でも判る世界の図式に思いをめぐらせ、人権、人の命を尊ぶといいつつも、現状でのその適用範囲のあまりの狭さを哀しくも思う。
元来、それは無限大でなきゃイカンはずなのに、たとえば、他国への侵害とか内政は不干渉とやらで、その辺りの一番に大事な部分が国家間においては後退するから、「厳重に抗議する」みたいなコメントしか出せないワケで、その辺りがなんとももどかしい。
二日酔いぎみな胃にもどかしさを組み合わせると心も身体もしんどくなる。
昨夜の酒席に居合わせた某新聞社のU氏に、「まったく正当性のない軍部がいいだしたミャンマーなる国名を容認して新聞で使うのか?」と聞くのを忘れてたのをハタと今になって思い出す。
なんで、いつもこ〜アレコレ忘れちゃうんだろ。
それで手近の、落書きで埋められたA4のペーパーを一枚とって、紙飛行機にして、プイッと投げてみる。
襖間の向こうにまでそれは飛び、椅子の端にあたって音もなく落ちる。
紙の模型・・。
紙の模型か・・。
気分をかえ、紙の模型を考える。
なんで紙でアポロの模型を作るようになったかといえば、一つには、ガラスケースの中で大事にされて触れるコトはメッタとないという模型の、そのもどかしさから脱却したいとの思いが強かったからだという気がするな。
手軽にホイと触れる模型を近隣に置きたかったんだ。
あたしゃ自慢じゃないけど、この歳になってもまだ、自室で一人いる時にゃ、模型を手にして眼の前に据え、ブ〜ンといったりしつつ、あちゃらこちゃらから、その模型を眺めたり、アレコレ空想したりするのが好きなんだ。
その点でペーパーモデルは最適だ。
実に気がねなく模型としてつきあえる。
あちこちにこのコトは書いてるけど、モデラーというのは模型を通して本物を幻視してるワケで、この時の忘我というのは年齢に関係ないの。
もっとも、こういう愉悦がありますのんや・・  と付き合いだした女のコにいっちゃダメだよ、ネ。
気味悪く思われるからね。
その点はとくと自戒しておかなくてはイカン。あくまでも一人で自室にこもっているというのが前提だい。
これがね、釣が趣味で部屋の中で釣竿を磨いてたりしたら、女のコもな〜〜んも変に思わないの。
例え女のコの存在を忘れ、部屋の中を渓流だの磯だのにと空想の中で満たしていても、女のコの方では、
(海に連れてってくれるのかしら? 渓流だとオシッコするところがないからイヤだな)
てなアンバイに、行く行かないといった部分になんぞにおいて勝手に居場所が決められ、な〜〜んとなく釣を通しての接点というのを見いだしてくれるから… ラクなのだ。
でも模型はいかん。
エエ歳したのんが模型を手にしてブ〜〜ンなんて宙にかざしてるのを見たら、気持ち悪がるアルよ。部屋を宇宙空間に見立てて模型でブ〜〜ンなんて構図は、容認されないのコトあるよ。どこにも接点がないからね。

閑話休題____________
なんでペーパーモデルなのか・・。もう一つは、工作過程のウエイトが変わるコト。
オリジナルで模型を作る場合は設計図を書いてそれにのっとって工作に邁進するというトコロは同じなれど、その比重がペーパーモデルでは設計段階に重きが来る。最終のペイントまでがそこで行なわれるから、製作の醍醐味がプラスチックなどと格闘するのとは別のトコロに来る。
それがボクには新鮮だったんだね。
フィニッシュに塗装が来ないのが最初は妙で違和があったけど、それはすぐに馴れる。マックのモニター上で色を自在に扱える、そのバリエーションの深さに逆に喜色をおぼえるようになった。
ペーパーモデルをはじめて判ったのだけど、手での愉悦よりも、脳内での堪能と昂悦がパーパーモデルには濃厚にして、かつ高いんだよ。
ペーパーゆえ、丸っこいモノとかは苦手で、おのずと工作物としては限界もあるのだけど、興味の主体であるアポロに関してはそれほどに、ああ、これではダメだという感じがないのもイイ。空想の幅が良い方向に広がったと思えるんだ。
従来の模型工作にはなかった、円周率に高さをかけて曲線を求めるなんていう行為も鮮烈だった。数値があわないと楕円にも円にもならないから、そこも面白い。
・・と書いてるウチにハタと気づく。
なげ〜〜なァ。
つい最近、この我がブログの存在に気づいた"通りすがりの早ちゃん"が、
「オ〜さんとヨシベ〜さんのブログは長文っすよね〜。ボクには出来ないですよ〜」
と口頭で申されて、気恥ずかしくもあり、反面では嬉しくもあったのだけど、性質として長文になるんだからゴメンね〜〜〜。
\(^-^)/ てな感じで今回はとりとめがない。