バターと流れ星

双子座流星群が極大となるというので、よっしゃ、今宵は2時間くらい外に出てようぞ! と決めて、その前に仮眠でもとっておくかとお布団に入ったのが10時。
そしたらこれが気持ち良かったんだね…。
気づくと朝5時だ。
流星はおろか夢も見てね〜の。
「あっちゃ〜」
ま〜、流星群は1日ぽっきりのバーゲンじゃなくって、今夜も明日も見られるはずだから別にいいけど、何で眼が醒めなかったの、オレ? なのだ。
で、思いあたるのはただの一点。
疲れてたんだ。
どう疲れてたかというと、20分ばかり手を上下に懸命に振り続けたからだ。
たかが20分の腕の上下運動でくたびれるくらい体力がないのかと笑われそうだけど、それが事実ゆえシャ〜ない。
で、何をしておったかというと……。
ペットボトルを振っていた。
20分降り続けててた。
生クリームと牛乳を1対1でボトルに入れて、これを降り続けてたワケ。
何で?
バターを作るため。
生クリームを分離させれば市販のバター製品より美味いのが出来る… と、かねてより聞いていたので、チョイと試してみたのだった。
それゆえのペットボトルの振り振り。
『10分ばかりで出来る』
とのコトであったゆえ、10分我慢して振り振り。
が、一向に変化なし。
液体のままだ。
なのでもうチョット我慢でさらに10分ばかし振り振り続行継続。
が、何やら不穏でもあるから、振りつつネットで検索してみると、
"乳化剤が入った生クリームは駄目です"
と、あるでないか…。
使ったのが、その乳化剤入りだ。
20分降り続けて出来なかったでは… どうにも収まりが悪いじゃないか。
ならば攪拌率を高め、イヤでもクリームを分離させちゃるぞ! と、しまい込んでたハンドミキサーをば箱から出してきまして… グルグルグルグルグル…。
大攪拌大会だ。

これでまた10分。
20分。
さすがに… 諦め気分がわいてきた。
やはり、ホンマにダメなのか… ぁああ乳化剤めが… 諦めと希望もグルグルグルグル…。
もう1分だけ攪拌。
いや、1分我慢したのだから、もう1分追加だ… と、およそ30分弱ハンドミキサーにしがみついてたら、
「おっ!」
変化あり。
液体が粘りだし、次第に固まってきた。
液体が液体であるコトを諦めて、何やら泡だち、その泡も粘りだす。
と、見る見る内に固まりが出来ちゃったよ。
上澄みを捨て(もちろんコレはこれでコーヒーのクリームに使えるから取っておく)、さらに攪拌を数分。

あらま、嬉しや、バターが出来ちゃったよ。
ネットにあった"乳化剤入りは駄目"はウソ。誤情報。
10分じゃ出来ないけど、腕の振り振り+ミキサーグルグル全部あわせて50分で出来ちゃったよ。
最後にお塩を入れて、もう1度攪拌してオシマイ。
100g越えのバターが出来ちゃった。
やや塩を入れすぎて、かなりからいバターになったけど、バターはバターだ。
パンがなかったので、熱々ごはんにのせ、お醤油タラ〜リして食べて見たら、
「うまっ!!!」
雪印より四つ葉だかより、ホント、うまい。
入れ過ぎた塩が、これまた、ごはんにマッチング〜〜ッド。
自分で作ったという事実が旨味に添加されてるからウマイ度も俄然にアップだ。
気づけば、おかわり3杯。おかずなし。
………
自分で作ったバターっての、イイね。
哀しいかな、容れ物がない。
プラスチックのタッパーでは雰囲気が全然出ない。
何事もカタチだね〜。
デンマークとかノルウエイとかオランダの田舎の農家が使ってたら似合うような、小振りな陶器の容れ物があれば、パンが一段と美味くなりそう。
ともあれ、こんなコトで手が疲れ、お腹まんぷく
そら〜〜、寝てしまうわな。
なので流星群は翌日にお預けになったという顛末談。
クリスマスには自分用のバターケースを自分に贈ろう… と、流れ星に願うワケだ。