風の谷のナウシカ


先週半ばから、概ね2日おきで岡山大学病院に出向いてる。
うちから独立して久しい… 模型工房を主催の某君の、見舞いと励ましと観察を兼ねての病院行き。
広島は福山の人なれど、近来、いくたびか福山で入退院を繰り返し、こたび、ここ岡山に転院してきたワケ。
それも救急車に乗せられて運ばれてきたんで、ちょっと、ヤバイじゃんな雰囲気が漂うのだけども、幸いかな激烈にひどくはない。
家族とも離れた遠方の地への転院ゆえ、本人も心細かろうと… そんなワケで2日に1度、ちょっくら病室を訪ねちゃ、アホ〜なハナシをして帰るというコトになってる今日この頃なのだ。
で、見舞い用ギフトにと『風の谷のナウシカ』全7巻ボックス・セットを買ったのだけど、フッとね、ボクが読みたくなった。
ワイド判 風の谷のナウシカ 全7巻函入りセット 「トルメキア戦役バージョン」 (アニメージュ・コミックス・ワイド版)
この全7巻ははるか以前に持っていたんだけども、弟の子供の1人に貸し出したままになって既に10年以上が経ってるし、入院中の我が友に渡す前に久々に再読するか… と、1巻めから読み出したワケ。
前半部は概ね覚えちゃいたけど、かつて読んだハズなのに、後半はスジも展開も思い出せなかったのが不思議だった。
それで随分と新鮮を味わってしまった。
読み進めると、2年前の3月11日とそれ以後の流れ… がダブッてきたりもした。
腐海巨神兵。産業。制御。個人。集団。宗教。差別。民族。闘争。平穏。母性。
自然の営みと人の営み。
なんかそういった諸々が3月11日に受けた衝撃の上に、まざまざ、アラート音をたてて塗布されてくような感じだった。


それで、何やら、友達にこの本を渡す気持ちが削げちゃって、このボックス・セットは手元に置くことにした(苦笑)。
風の谷のナウシカ』はバイブルじゃないし、究極な導(しるべ)でもないけども、作家の声がよく伝わる本だ。
なにより、閉じていない…。ファンタジーとしてファンタジーの中にのみ"物語"が置かれていない感触があって、だからボクは3月11日とその後を、物語中の「火の7日」とそれ以後のナウシカの生きる世界とを重ねることが出来たワケだ。
ストレートな解答が本にあるワケでもないし、また、今を生きることについての教えを乞うという意味でもなく、何か今という瞬間と濃く密接にリンクしている感じを受けると…。 
そんなワケでこの本たちは手放せないな、と思ってしまったワケなのだ。
次ぎにいつ再読するかは判らないけども、その時が来たら即座に読みたいから、な…。
ということで、見舞い用には、別の本たちを用意した。
パイナップルARMY コミック 文庫版 全6巻完結セット (小学館文庫)
これはこれで、オモシロイし。
ちなみに、チョイスしたのは『パイナップル・アーミー』。

短編の集合体だから、入院中の身の上にゃ負担もないだろう(笑)。