パッションフルーツ移動


晴れた午後。
脚立、剪定ばさみ、スコップなど準備し、パッションフルーツをウチに入れる作業。
去年より10日ばかり早いけど、自分のスケジュール上、しかたない。
毎度のことながら面倒なり。
が、毎度ながら、この作業で”冬の到来”を感じるというか、冬への覚悟がうまれる。



しかしこの夏の熱さと暑さは、植物にも影響が大きかった。
パッションフルーツとて、暑ければイイわけもなく、耐え難い温度がある。
極暑のさなかは昨年の半分ほどしか葉が茂らず、茂り出したのは9月も終わりの頃。
実もほとんどならなかった。



ともあれ剪定と伐採。
ほとんど枝葉を切り落とし、幹部分をば室内に入れ、これで越冬の準備は出来た。



転じて庭を眺めるに、ナスは盛りの時期にさほど収穫出来ず、秋になって密かに新芽が出ての「秋ナス」がドド〜ンと収穫できちゃったという妙なことも起きた。
暑すぎたんだ。
秋ナスは秋ナスで……、異様な生育を示してた。



この部分写真だと、なんだか海の生き物みたいじゃあるけれど、いいのかよ〜、と思えるホドにでっかいし、妙に曲ってら。



今頃になってやっとイチジクが実ってる。
というか、実ってはいたけど、熟れるタイミングがメチャに遅い。
これもまた暑熱のせいか?
カタチもいささかケッタイなのも出来て、これなど……、お尻のようだ。



この数年で急速に浸透するポリゴナム。
和名ヒメツルソバ
岩場に置く園芸品種として明治の時代に入って来たらしいけど、近年、野生化だ。
この数年で、我がミニガーデンを含めて近隣至る所で見られる。
路地の横手やガーデンのあるオウチの庭などなどなど、あちゃこちゃ、大繁茂といっていい。
これもまた夏の圧倒的な暑さがもたらしたものだろう。



かつてのセイタカアワダチソウみたいな侵略っぷり。
セイタカ……も実は明治末期頃に園芸用として日本に入ったものらしい。
明治はありとあらゆるものを無制限無節操でテンコモリに引き寄せちゃった、メチャな時代だ。


ポリゴナムは地を這うだけで背丈がなく、いささか愛らしくもあり、どのオウチでも、
「まぁ、いいか」
と放置しているようで、なのでいっそうあちゃこちゃに見る。
園芸屋さんにとっちゃ、売るべき品種なんだけど、自然繁茂の威力に販売はゼロに近いだろね。



暑さで伸縮に変化があったものの、しかし、4つ足や2足の生命体より植物や樹木の方が生命力は強そうだ。
たかが半日のノラ作業でもう翌日は筋肉痛の2足歩行のボクより、だんこ強い。
およそ3億年前の地球も、「恐竜の時代」になる前では、いわば「植物の時代」がなが〜く続いてたことからもそれは判る。
温暖化で気温高く湿潤でもあったから地球は熱帯な沼地だらけで、樹木は茂りに茂ってた。
ただ、それゆえに歩いたり走ったり出来る進化方向に進まなかった。
根をおろして不動、そこで大きくなる、子孫は種でもって飛ばす、というカタチに落ち着いちゃった。
その生体サイクルで枯れ枝や葉が堆積し、腐らせる菌がいないんで地熱と積み重ねの圧力でもってギュ〜っと圧縮されて、今の石炭となったワケだ。
やがて地表を歩行出来る生き物らが跋扈しだし、草食な恐竜たちがグングン育まれ巨大化して、地球はいわば「時間制限なし食べ放題」の御食事処となったワケで、もし植物や木が歩けるものだったら、恐竜達の我が世の春は来なかったかも知れない。
葉っぱ、食べられてたまるかとスタコラサッサ。
ま〜、しかし、我がミニガーデンの草木どもが夜中に歩いたり出てったりするのは困るから……、地に根を下ろすという進化の袋小路に潜ってくれたのは幸いと思わないとイカン。



などと妄想ぎみに書いてたら、集金がきた。
このシーズンになると、町内会のヒトがくる。
「赤い羽根募金」
正直なところ、町内会が集金するというのはおかしい。
基より「赤い羽根」は米国が指導、戦後の戦災者救済の一助としてGHQの元ではじまる。
それが手を変え、何やかんやの救済という風に間口を広げて今にいたる。
義援金をおくるコトに異議はない。けども、町内会が”集金”するのは、これは不当だ。

共同募金は寄付者の自発的な協力を基礎とする

そう社会福祉法は定める。
町内の顔見知りが集金に来る以上、やすやすとは断れない空気もあって、余計に腹立たしい。


ちなみに、あの危なっかしいオスプレーって1機の購入価格、86億円(!)。
さらに以後の維持費が購入した17機分、今後20年で4600億円を米国にお支払いだそうな。
で、2015年度の「赤い羽根」の募金学は全部で、184億円。
いっそ、これ、逆にした方がイイのじゃないか?
オスプレー欲しけりゃ募金を募れって〜具合に。
危なっかしいシロモノを維持する4600億円もの巨費を社会福祉に廻せば、ずいぶん涼やかになろうに。