スペイン



水曜夕刻。
市内さんた広場での特設ビアガーデンでの、T/Nのライブをミニ・ヘルプ。
こたびは1曲のみオリジナルで他全曲カバー。
わけても際立った「スペイン」。
軽やかさと重みからめたOH君のキーボードに、ヤギの皮をはったアイルランドの民族楽器が実によいリズムと強弱で溶け合い、螺旋のようにさらに芯が太く巻かれて、ひょっとして今年聴いた諸々のライブ中のダントツの一曲ではなかろうか… とも思えた。
西からの陽射しとコンクリートの暑熱で瞬時に汗ばむようなアンバイが、また逆にこの情熱的に上昇する曲に良くあったようにも思える。



控え室として用意された某新聞社15階からの1室から市内を見下ろすに、西日がグレー色な雲の輪郭をオレンジ色で際立たせて、どこかシスティーナ礼拝堂ミケランジェロの天井画の部分を見ているような錯覚もあって、やはり何か、熱狂に色づいた躍動をおぼえないではなかった。
くしくもこの日、MIHOちゃんの命日。
早や、4年めになるのか… と感慨の芯が熱くなる。
彼女の中にあった熱情をボクは勝手に楽曲「スペイン」に合致させ、
「命日にふさわしいかも… 贈るワ」
またぞろ勝手、演奏者でもないけど、我が耳で聴いてるサウンドを天に献げてみるのだった。


さんた広場の道路の真向かいにあるイトーヨーカ堂は来年2月で撤収することが決まり、また、市内の景観が大きく変わるのだろうな…。
変わるものと、変わらないもの。
いずれにせよ、そこに朝陽は射すし夕日もまた射す。