映画『かもめ食堂』には片桐はいりが精肉店に立ち寄るシーンがあって、店主が彼女に勧めるのがトナカイのお肉だった、ね~。
片桐扮したミドリさんは、おにぎりの具材として買う。
フィンランドではジビエではなく、定番の肉として扱われているようで、チョイっとそそられる。
サンタクロース発祥の同国ではソリを引かせてプレゼントをお届けもするけど、そのお肉もしっかり食べちゃってるワケで、なかなか頼もしい。
缶詰はごくあたりまえに売ってるらしいし、国内線の機内食では調理されたのが出てくるそうな。
きっと美味いに違いないのだろうけど、食べたことは、ない。
映画『かもめ食堂』より
北海道の幌延町、ほろのべ トナカイ観光牧場では限定販売物としてトナカイの缶詰があって、大和煮や味噌煮といった和風テーストになってるらしきだけど、3缶セットで1万円とのことで……、とても買えないわ。
それに、せっかくのトナカイだも~ん、和のテーストじゃなくって、あちゃらっぽい味付けがいいなぁ……、などと買いもしないのに云っちゃ~いけないなッ。
しかし顧みるに、トナカイという生き物を直に見た記憶が、ない。
動物園で見たおぼえがない。
ひょっとすると園内にいたかも知れないけれど、記憶に残らないような”展示物”でしかなかったんだろうか。
逆に、ヤギがいたのはよくおぼえている。津山の動物園にいた。
ヤギなんて、どこにでもいるような存在(昭和30〜40年代の話)だったので、わざわざ檻の中にいれてあるのが奇異だった。それで覚えてる。
トナカイはヤギに較べて大きいし、オスもメスも立派なツノを頭上にかかげて、ヤギと較べようもなく目立つはずだし、幼少時にはアチャコチャ県外の動物園にも連れていかれてるけど、ともかく記憶にござんせん。
すまんねトナカイ。
ネットで拾った画像……
なのでこのクリスマス、
「味わわせてよ、トナカイのお肉300グラムほど」
サンタクロースに願わなくもないのだ。
けど、子供対応にせわしない老いたサンタが同年代らしき当方にお肉持って駆けてくるハズはなく、ま~、あきらるっきゃ~ない降誕祭の夜。
「肉は自分で買ぅたんさい」
ちなみに英語のChristmas、あるいはX’masは、フィンランド語ではJoilu(ヨゥル)と云うんだって、昼でも。
映画『かもめ食堂』より。
フィンランドのイッタラ社(iittala)のブランド「ARABIA」のこのお皿(24h Avec)も、日本にイッタラの直営店ができたり通販で買えたりと、便利っちゃ〜ベンリになったにゃ〜。3000円ほどだよ。
映画『かもめ食堂』より。満員御礼のお昼時。めでたしめでたし。
こんなごく普通の光景までが今は歓迎されないわけで、さすがのサンタクロースとても、めでたしとはいかず、天をあおいで溜息か。
サンタも苦労す……、万事休すなメリ〜クリスマス。
おまけに、よりによってイブの夕刻に、「桜問題」のすっきりに遠い言質をプレゼントさせられたコチラとしては……、
「トナカイよ、今宵の仕事が終わったら、ABEンちの玄関先にウ●チしてけよ。嫌悪の証しとして300グラムほど」
そう密かに願わなくも、ない。
–––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––
暗いだけのクリスマスも何だ……。
我がイブの夕げ。仲間の考平君手作りのワインをば頂戴す。
20㎏ものブドウをば買い込んでの自家製。その1本。
防腐剤も何も添加しない真のワイン。めちゃんこにふくよか、ブドウの美味み濃縮の煌めき。
幸少なき1年にあって、この赤は2020年度イチバンの不羈(ふき)の澄明。
ロマネ・コンティに価いする旨さとありがたさ、と称して良し。
1本丸ごとイッキにたいらげて貯まった憂さをば緩和。