熊山英国庭園

 

 過日、雲1つない快晴。車駆けらせ、20年ぶりくらいに訪ねる。

 20年ほど前にこの庭園がオープンした直後に出かけたさいは、偶然ばったり、

「あらっ、ま〜ま〜」

 Kuyama夫妻に園内で遭遇したと記憶するが、その頃はまだ駐車場らしきもなく、田園の路肩に停め置いたよう思う。

 さすが20年も経つと、整備も進み、駐車場も3箇所設けられ、園内の諸々の樹木もよく育って、気持ちよい環境になっていた。

 

 

 キチンと管理され、訪ねた日も複数のガーデナーがしゃがみ込み、土をいじくったり剪定したりしていたけど、この庭園は入園料なしの無料だ。

 赤磐市が予算をさいてガンバッているワケだ。

 素晴らしい。

 園内カフェでオリジナルのパンと珈琲を味わいつつ、しばし憩う。

 

 わすれな草の繁茂。繁殖力が強いんで、訪問した時刻、管理のガーデナーさんがけっこうな数量を引っこ抜いていた。

 

 

 ま~、正直を申せば、とても良い環境なんだけど、“英国”をさほど感じない。

 多数の薔薇やそれらしきモノはあれど、のどかな典型的日本の光景に囲まれ、庭造りが進む程に和のテーストの方が濃くなったような感がなくもなく、当初のブリティッシュ・ガーデン・コンセプトは希薄になっているよう思える。

 なので“英国”というのは、も~、あえて外してもいいのではないか、「赤磐熊山庭園」でいいのではないか……、などとも思ったりもした。“英国”に頼らずとも、立派な庭園だ。

 

 とんぼ池と名付けられた浅い池。名の通りにとんぼが群れているのを眺めて眼を細めたりもしつつ、とんぼ池という名が既に日本の味わいだねぇ。

 

 平日というに、駐車場もほぼ埋まり、けっこうヒトが来てらっしゃる。

 皆さん、帰りには、たいがい手に花や苗を抱えてる。

 併設の園芸ショップが、良いんだ。

 ホームセンターの園芸コーナーではみかけないモノが幾つもあり、かつ、ショップの女性がとにかく植物栽培のコトをよく知ってらっしゃって、とても親切に接してくれるんだから、ヨヨイノヨイだ。

 当方も幾つか買い求め、丹念にそれらの育て方を教示された。

 うちに帰り、夕刻に、アレコレをさっそく鉢に移植した。

 

   

 上の写真。手前が今回買ったものの1つ。アルフィニュームという品種。後ろの背の高い淡い空色の花は高知の園芸ショップで買ったもの。

 蚊がよりつかない……、という植物もさっそく鉢に移した。葉をこすって嗅ぐとメンソレータムみたいな匂いがする。いい感じ。

 葉をすり潰すなどして肌につければ、モスキートどもが嫌がるというコトらしい。

 

 で、気づくと、センダンの芽吹きが大きくなっていた。これまたヨヨイノヨイ。熊山のそれも我が宅の小庭も、夏に向けて一直線なのだろう。

 とかく新芽は虫が好む。このセンダンも数週前に芽生えたのは虫が喰っちまって、

「さて、困ったもんよ」

 苦い顔で眺めたけども、どっこい、雨にも負けず虫にも負けず……、夏に向けて奮闘しているようで、一度は切り倒そうと思った木ではあるけど、新芽を吹かせているのを見ると、いとおしい感が湧いちゃうのだった。