インドア玩具

 

 なが~く乗ったMINI氏に預け、新たな車をガレージに置いて、一ヶ月。

 当初は2台分しかないカーポートに新旧両車を常駐させたが、いただけない。

 後ろの車に乗るには前の車をいったん外に出さなきゃいけないし、当然に後ろの車を出した後にゃ、前の車を戻さなきゃ〜いかん。縦並び車庫のビッグな弱点……。

 そも2台占有では、来訪者の車の置き場がない。

 とても困る。

 

 

 そういう次第あって、MINIは、常にこの車の面倒をみてくれているF氏の自動車工房に置いてもらうことにし、かつ、誰ぞが欲しいと声をあげるなら、譲ってもヨシという判断をした。

 30年乗っているゆえの愛着もヒトシオなんだけど、2台がカーポートを占有するのはヨロシクない。苦渋の判断といえば大袈裟だけど、我がカー・ライフの転換期と思ってのこと。

 

  
            F氏の元に移動するMINI

 

 で、気分転換。新たに迎えた車に淡くゆらぐような萌えをおぼえ、ならばオモチャも造ってみようかと、気持ちホンワカ弾ませる。

 ミニチュアを造るワケだ。マイカーのミニ化ぁ~、だ。

       

 

 Hong Kongの玩具メーカー・KINSMARTから出てる1/28スケールの金属製ミニチュア・カーを買ってきて、改造をくわだてる。

 1/43だと小さすぎて改造余地がなく、1/24だとプラモデルの土俵……、頃会いとして1/28は、都合ヨシ。実車と同じサンルーフ仕様もありがたい。

 

 

 ダボでしっかり固定された金属パーツをドリルで揉み、完全分解。

 この車両に関しては模型はかなり出ているけど、欧州車ゆえ市販品はスケール問わずいずれも左ハンドル仕様。

 それを右ハンドルの日本仕様にする。

 リューターで削り、カットし、パテを盛り付けて加工と……、面倒だ。でも、ま~、工作は愉しくもある。久しくペーパーモデルしか接していなかったから余計に。

 

 一週間ほど前、東京在の年若い良き友人がフジミ模型だかの1/24のMINIの改装パーツを3Dプリンターで造り、そのパーツを組み込んだ完成模型の写真を紹介してくれて、シャープな出来具合の素晴らしさに、新鮮な驚きと、3Dにトライして体得するその前向き精神に羨望を味わったけど……、ぃ、い、いいのだ、当方、イノダの珈琲すすりつつ、昭和的テーストの工作の範疇でモゾモゾしちゃうのだ。

 

 

 ボディを塗装。実車は「オペラボルドー」という濃いワイン色。光のあたり具合で明るくも暗くも見える。これの再現が難しい。

 結果、ベタに茶味がかってしまって色味がかなり違うのだけど、まっ、いいさ。
 外周を巡るブロンズ・ラインも太すぎだけど、まっ、いいさ。

 リアルさより、特徴をやや大袈裟にと作業を進めたのだから、これはコレで良し。

 プルバック・ゼンマイが入ってるので、そこを活かし、あくまでオモチャ・テースト。

 

 実車コクピット部に似せるべく、いささかの苦労。ペダルも右側へ……。
 で、再組み立てし、はい、完成。

 

       

                           ホィールが金ピカ過ぎた……

    実車はゴールドをあしらってはいるけど、黒をベースにしてかなり控えめ……。ま〜、いいさ。

 

 

 100円ショップでケースを買い、かの老舗ミニカー・メーカーDINKY TOYSが、その60年代テーストのままにこの車両を製品化したら……、という設定の元、パッケージをイラストレータで造って作業終了。

 イタリアのワインの栓を抜いて、グビリとやりながら悦にいる……、というようなコトはゼッタイせず、けども日本酒を2合ほどは吞みつつ自己満足工作の、

ゆ・か・い

 しばし味わう。