3夜連続で圧倒的におもしろい夢を見たんだけど、いずれも目覚めた途端に消え失せた。
想いだそうとすればするほど、崩れて溶ける。こまったもんだ、せっかくの美味しい夢だったのにぃ~。
2夜めのさい、大きなガラスの丸屋根がついた潜水艇が出てきたのは確かだけども、ストーリーも、誰が乗ってんだかも、もう不明。
ま~、そんな次第があったので、ひさびさに『ミクロの決死圏』を観たのだった。
この映画に出てくる潜水艇は透明な丸っこい展望部分(操縦席)があって、過日の夢はおそらくはそれがモチーフになっているような気もしたので、ひさびさに観る気になったんだ。
銃で撃たれた科学者を救出のために、軍人と医師らが乗り込んだ潜水艇がウイルスサイズにミクロ化され、科学者の体内に入って患部を治療するというSFなんだけども、当時まだ実用化されていないレーザーでの治療をいち早く描いていたりもして、なかなか見所有り。コンピュータ以前のトランジスタ時代の古風も今となっては逆にオモシロイ。
極小の世界を描くために特大のセットを用いて、そのあたりもビッグにグッド。
しかし、この1966年の映画を観つつ、夢の原因は映画そのものではなくって、今年の春だか去年の冬だかに、柔道家が当方にプレゼントしてくれたその潜水艇のプラモデルじゃ~ないかしら? と、そうも想うんだった。
綺麗なカタチをした潜水艇はプロテウス号というんだ。この輸入品プラモデルもまたかなり秀逸な出来具合い。
けどもま~、もらったとはいえ、即座に組み立てるワケでなく、多数持っているプラモデルと同じく、平積みして倉庫のようになった部屋に置いたままになっている。
うん。きっと、これだ。
夢に出てきた潜水艇は、このプロテウス号のプラモデルに起因しているに違いない……、と確信したワケでもないけど想い決めた。
なんか一件落着のようで嬉しくもあるけど、しかし、よくよく考えると何ぁ~にも落着は、していないのだった。
それでもうヒトヒネリ考えますに、そもプラモデルというのは、組み立て塗装しなきゃ~完結しない性質の物体であって、箱に入った未組み立てのそれは、いつまでも、組み立て完了時の「夢」をば育む装置としての「元ネタ素材」なのだった。
が、そうであっても、過日の夢が、プロテウス号の模型を早く作れぇ~という暗示ではなかろう。強迫でもなかろう。じっさい、プラモデルをもらって以後、半ば忘れてもいたワケで。
ほいじゃ~、何で夢の中に潜水艇が出てきたのか?
そこがやっぱり、さっぱり、判らない。
そこがやっぱり、夢の醍醐味かもだけど……、不思議なもんじゃね。夢って。
今夜はすごいの見るぞ~、と意気込んでもそうはならず、本人の意思とは無関係に「上演」されるんだからタイシタもんだわ。しかも無料ときてらっ。
傑作とは云いがたいけどどこか愛すべき映画『2010年』で、コンピュータの HAL9000が、
「私は夢を見ますか?」
と、ロイ・シャイダー演じるフロイド博士だか、ボブ・バラバン演じたチャンドラー博士だかに問うシーンがあったけど、猛烈速度で進歩しているいまどきの生成人口知能 AIは、この先どういう方向に向かうんだろ?
なんだかおっかない未来がすぐそばまで来ているような気がしないでもなく、これはこれで思い込めば……、悪夢をみそうで寝るのが、こ・わ・い。