JOE SPANO


ジョーというのか、ジョイというのか、よく判らないけども、この人がイイのだ。
Joe Spano。
1946年生まれというから、2012年現在で66歳。
「かっこいいなぁ!」
と、常々思ってる。
アメリカングラフィティ』にも出てるけど、ボクが、
「おや!?」
と気づいたのは『アポロ13号』だった。
NASAの長官役で出ていて、決して目立った役廻りではないのだけども、なぜか惹かれるのだった。
映画を観ている時にはボクはスクリーンのアチャラコチャラに眼をそよがせるけども、この人が出て来ると眼が泳がないのだった。
アポロ13号』を撮り終えたトム・ハンクスや製作のB・グレイザーは次いでTVシリーズ『FROM THE EARTH TO THE MOON』を造り、このシリーズでもJoe Spanoは出てくる。
登場頻度がやや高まって、今度はNASAの高官という役だ。
これがまた渋くてカッコいい。
動きの派手な目立つアクションがあるワケではないけれども、この人の眼の演技がシーンに磨きをかけるようなところがあって、例えば、第2話「最初の悲劇」での、アポロ1号の事故検証聴聞会でみせる彼の眼の動きと表情は、このエピソード最大の見せ場とボクは感じてる。

Joe演じる高官は、アポロ計画の性急な進捗さに批判的なフランク・ボーマン宇宙飛行士がその聴聞会で計画に反対する政治勢力側に立った発言をするだろうと懐疑し不安がっていたけれども、いざフタを開けてみると、ボーマン飛行士は真摯にアポロ計画の正当性を訴える…。
真摯な言葉の数々を傍聴席で聴いてるJoeの表情の変化が、実に素晴らしい。
このシーンでは彼にセリフはないけれど、頑ななものが柔らかに溶けてく感触をありありと伝えてくれる、これは名演であって、その表情の和らぎでもって物語は、後のシリーズ全編をも含めた"継続の在処"を示すかのようなのである。
セリフもないのに、その存在でもって大きな事を示すという… Joe Spanoという役者がいたからの名シーンと、ボクは思う。
トム・ハンクスは彼を高く評価しているらしい。というか… ほとんど信奉者として崇拝しているそうだ。
さも、ありなん。

最近のJoe Spanoは、TVシリーズ『NCIS』で準レギュラー的にFBIの高級捜査官役で登場してるのだけども、これがまたカッコよいのだ。
「渋いっ!」
と、口にするのがアホらしい程にカッコいい。
『NCIS』の主役ギブス捜査官を演じるのは、『FROM THE EARTH TO THE MOON』の第3話、アポロサターンの危なっかしさを描いた「有人宇宙飛行」でアポロ7号の船長として登場のマーク・ハーモンでこの人がまた実にカッコいいのだけども、なので、この2人が画面に出てくると、もうそれだけでご馳走を頂戴するような感じ(苦笑)。
アポロ13号』の頃に較べるとJoeさんは髪の毛がずいぶん薄くなってるけれども、それがまたカッコいい。
男っぷりがいっそう上がって磨きがかかり、髪が失われた分、渋さが3倍ほど加味増量されたって感じ。
こういう人が町内会の会長だったら、ボクは率先して… 日曜早朝のミゾ掃除とかに出ちゃうね、きっと。