今年もまたジャズフェス


今年の岡山市でのジャズフェスは、6日、11日、12日。3つの会場で開催される。
なので、とうぜん、諸々あわただしい。


最近になって知って、実にビックラこいたコトがある。
何かというと、ボクらは音楽を幼稚園か保育園で学ばされ、小学校、中学1年の頃までと… 義務教育として何年も感受し、かつそれが常識と思ってたんだけど… 違うのね。
米国も英国もドイツでも、教育の現場に音楽はないんだな。
実は教えていないのだ。
それはあくまでも、先生の"選択と裁量"でもって教えるもんで、だから例えばドイツはベルリンなんぞで小学校の低学年に、
「ベートーベンって知ってる?」
と、問わば、多くは、
「それは、どこ?」
と、かえってくるそうな。
むろん、音楽を専門とする学校はそれら国々には多々あって非常に充実してるワケなんだけども、そこに向かうのは、あくまでも学生としての個々人の選択なのだった。
義務として音楽は存在しないのだね。ウィーン少年合唱団はけっして"教育"の渦中に、ないわけだ。
日本における音楽は、いわば維新後の明治の政府がそれを"教えるべき"なものとして規定してしまって、それがいまも続いてるワケなのだ。



それで、チョット思った。
幼稚園でのチ〜チ〜パッパにスタートするボクら日本国の若人は、ある意味で不幸だと。
今や保育園でさえ"がくしゅうはっぴょうかい"が中心に置かれて、父兄の前で子らは全員いっしょになって何やらリズムの演技をさせられて、他の子と同化すべくリズムを"矯正かつ強制"させられてる…。
いわば、リズムというのはこうなのだと無垢な白紙の頃合いに、たった1つのパターンを"教わって"しまうから、そっから別のリズム感を身体で表現出来ないように… なっちまってんじゃないかしらと… 思うのだ。


たぶん、ボクはその口だ。
武道館でのクラプトンやストーンズを観に出向いたさいにも、自分の手拍子は、70年代頃の、「5つの赤い風船」やらのフォーク・コンサートで打ってたものと同じなんだ。
この乏しきリズム感表現は、チ〜チ〜パッパであり、さいた〜さいた〜であり、ドングリコロコロ〜の、カスタネットで皆んなと一緒にあわせてね〜、な、お遊戯的学習の賜物と… 解釈してよいのじゃなかろうか。
ボクの場合、天性としてのリズム感の欠落がこれに加わる。
さらにワリぃ〜コトにボクの母親(まだ現存)は大昔、某幼稚園の園長で、ボクはこの麗しきなマザーに、
「皆んなと同じように!」
「ちゃんとしなさい」
先生が母親でもあるという妙な境遇で育ったから、これがヨロシクない…。
園内じゃ「先生ッ」と呼び、うちに帰れば「おかあちゃん」と呼ぶ2重生活。
洗脳教育とかいうけど… 少なくとも、植えられたリズム感覚。おかしな具合に汚染されたかと…、ボクはこの年齢になってやっと元凶がどこにあったか判ってきたような気がする。


音楽におけるリズム感、グルーヴ感、諸々な身体としての感覚… というのは、教育で授かる性質はなくってホントは勝手気ままに身体を揺すらせて体得する独自なもんなんだね。
違うかな?
教育としての鋳型にはめるもんじゃなかろうて。


日本に5線譜、いわゆる西洋音階が導入された最初の事例は、九州から江戸に向けて進軍するさいに奏でられた「官軍マーチ」が最初のようだけども… この行進の音階に当時の官軍兵士はうまく歩調を合わせられなかったらしい…。
左腰にカタナを差して歩く風習がながかった日本(という名すらなかったね)では、左足と左手は同時に連動して前に出たり後ろにいったりのもんだったし、それがバランス良きの最良だったんだけども、西洋式音階は左足が前の時には左手は後ろにというバランス配分がまったく違うもんだったから、それで、うまく歩けなかった…。
で…、不思議にも腰につけた重いカタナを取っ払うと、これがうまくいく。
おもしろいもんだね〜、リズムというのは。
「ぁあ、やっぱ、カタナはもう古いの〜」
というコトになって、リズムが腰差し日本刀スタイルを駆逐するわけだ。


ボクがジャズフェス(OJF)の運営にず〜〜っと関わってるのは、そんな不思議を、なんとか自身の中で矯正したいという願望が根ッコにあるような気がする。
去年だっけか、OJF実行委員長でもあるOH君こと太田徹哉のライブ前のリハーサルで手拍子を打って欲しいとの要望があって、それをその場でやったら、本番中の彼のMCで、リズムがあわなかったと笑い話として披露され、小さく傷ついたんだけど… なので余計… 義務教育としての音楽の弊害を、ボクは… 自身のリズム感欠落オンチらしきな境遇は置いといて、
「教育が悪かったら」
と、ひたすら、責任転嫁してるのだった。
そうしないとあいた傷が癒えないからだけども、ここで言及しておくけど、これはOH君がひどいワケじゃない。当然ながらそれは彼にとって彼の念頭にあるリズム/テンポはスタンダードであったりまえだのものであって、ただボクの方がそれに則しえなかったというに過ぎないし、ボクは応えられるベストを尽くした上での、その感覚表現の"貧富差"にすぎないし、基本としてそのMCは絶対にボクへの愛を含んでいると承知しているから、守るも責めるもなハナシじゃない。(^_-)



OH君は天性の、いわゆる絶対音階を持ってる口らしきなので、なので、それで、この一件は口惜しくではなくって、羨ましいというレベルでの臭いのある挿話としてあえて書いてるんだけども… なんと申しましょうか、リズムにキチリとシンクロ出来ていないボクは、ま〜、ひたすら、そこのトコロを努力するっきゃないのだった。
いきおい高みに登れるわけじゃないけど、音楽が好きなんだから、そこを身体の感触として知ろうと、努力をこっそりしてるワケだ。
努力というのは大袈裟だけど、ジャズフェスというカタチの中に身を置くことで、ボクは音楽という素晴らしき存在をなんとか、もっともっと味わい知りたいと… こっそりと腐心してるワケなんだね。
ま〜ッ、それほどにミュージックというのは素晴らしいもんなんだ。
でしょ?



というワケで、岡山市近隣の方は、おかやまJAZZフェスティバル実行委員会(OJF)運営の今年のイベントに、ぜひにお越しを。
OH君ともどもスタッフと一緒になって、良きステージを提供しますぞい。それも3つも ♡
女子スタッフがそれぞれのイベント会場でもって供出してくれるフードも魅惑でっかいぞ。
詳細はコチラにどうぞ〜
有料イベントもあります。チケットも発売中。

上写真はほんのヒトツキほど前の某夜のもの。
TKOBBというブラスバンドのバンド・マスターとサブ・マスターにボーカル。とある演奏会後の打ち上げ。いささか忙しくて演奏会場には出向けなかったけど打ち上げには参加しましたぞの、構図。プラス、ジャズフェスの手伝いを要請をしているの図。
音楽への愛がすごく濃ゆくって、かつそれに向けての態度が真摯で、ボクが大好きな連中。
ステージには立てない裏方として今回ヘルプしてくれる彼らに乾杯。