オリオンか、オラィオンか?

「プチ寄席」を断念して選挙に行った。
足腰不自由な人を連れなっての投票。予想以上に時間をくった。
夜になって… TVから流れる万歳の声。いい加減、それはもうやめたらいいのに。
全国の流れとはまったく別に沖縄のみが違う選択… そりゃ、あたりまえだろう…。
(でも比例で自民など全員復活って… 何だ?)
今夜はいっそ宇宙に逃れよう…。


この前、米国の次世代の宇宙船が試験飛行したけど、日本の大多数の新聞テレビは「オリオン」と発音したり書いたりしてる。
ORION。
あの「オリオン座」と同じ綴り、同じ単語なんだから、ま〜、そりゃ仕方ないけど、けどもアチャラの発音じゃ、これは「オラィオン」だ。
オとラの間に一呼吸あって"オ・ラィオン"って感じ。
発音としても書くとしても、オラィオンとオリオンはかなり違う。
天文雑誌『アストロアーツ』もそこを考えたんだろう、同誌じゃ一貫して「オライオン」と書いてらっしゃる。
ボク個人は…、「オラィオン」がイイなと思ってるけど、ま〜、たいしたこっちゃない。
オリオン座も、いまさらに、オラィオン座と読み替える気もないし、オリオン座はオリオンの名のままの方が、いい。


今回のNASAの打ち上げでは、やや小ぶりに見えるデルタ4ロケットを使ったから、
「アポロの頃に較べてコンパクトになったな〜、技術進んだな〜」
と思ってしまった人もあったようだけど、そこは違う。
まだ随分と先になるけど、火星に向かう「オラィオン」を打ち上げるロケット(SLS)は、アポロ・サターンよりも規模は大きくなる。
印象として細身っぽいけど背丈も伸びるし重さもでかくなる。

2本立て。1つに人が搭乗し、もう一方、アポロ計画後のスカイラブ-1に似たカタチの輸送専門のが1本。宇宙空間で合体だ。(上のイラスト:1番右と3番めがオラィオン-SLS。その真ん中が50年前のアポロ-サターン)
両者ともカッコ良くない。
アポロに比較し、模型として欲しいと思う要素がボクには少ない。
とはいえ、これがケープカナヴェラルから発射されるのを楽しみにしてるけど… まだまだ先だ。
だってまだ打ち上げシステムそのものを開発中なんだし、優先的に予算が承認されてるワケでもないんで、アポロ時代の突貫めくな進捗とは状況が違う。
人が搭乗しての火星にGOは、現状の予定じゃ2030年代で… それも、
「だいたい、それっくらいじゃ〜ないですかァ」
という具合だから、ううむ。遠いぜ火星イチバンのり。


でもって… 「オラィオン」が非常に斬新なものになるかと思いきや、アポロ時代の手法を継承しての火星行きなのだな、これが。
たとえば、人が乗るオラィオン・モジュールとその支援のための諸々満載のモジュールを切り離す装置は、結局、アポロで採用された方式と同じものだ。
Umbilical Guillotine Assembly という名。
中央の単語にある通り、ギロチンだ。
鋭い刃がザクッと落ちて、アントワネットの首を落としたと同じく、多数のケーブルを一挙に切り離す。
6〜7年ほど前だったか、まだブッシュ政権だった頃に「オラィオン計画」が承認されて、それで宇宙船やロケットの新たな開発を進めるようになったけども、結局のところ、技術の根幹はアポロ時代のそれから… さほど大きく跳躍していないようだから、そこはちょっと不思議でもあるけど、ま〜、いいのだ。


アポロでのこの装置については下記の我が拙文を参照されたい。
アポロの中の16世紀

なので、アポロ時代をライブ体験したボクとしては、「オラィオン」のビジュアルとしてのカタチに新しさをまるで覚えない。
およそ50年も前のものがまた少しカタチを変えて出てきたという程度で、なんといってもいまだに、人工重力がないんだし、アポロが4畳半ならこたびは6畳になりましたくらいなもんで、新鮮が薄い。
けどもまた一方で、懐かしいようなむず痒い感じも受けて、フューチャー・レトラ感というか、ま〜、その感覚をおぼえるのはオモシロイ。

こたびの「オラィオン」に搭載のメインとなるコンピュータというかCPUが、実は10年以上前の、2003年モデルのアップルのiBook G3と同じモノというのも、オモシロイ。
最新のものじゃ〜なくって、より"信頼性"あるチップで組まれたCPUを使って不具合が生じるリスクを軽減させたという次第で… ここは評価すべきなポイントだろうね、きっと。
CGアートたっぷりなゲームをやるものじゃないんだから、最新でなくとも10年以上前のiBookのパワーで充分に機能するんだ。

今夜14日は、"双子座流星群"がピーク。
残念なことに雲が多い。
昨夜も3時頃に外に出た。
月があってやや明るかったけど、雲はなく、寒波のせいで空気が澄んでたね。
20分ほどの合間に3〜4ケ、見たよ。
願いを告げるには、個々、あまりに早い瞬時だったけど、オレンジ色の光点がスッと音もなく空に出現するのを目撃して、近隣7〜800m以内には目撃者は誰もきっといないと思うと、「今のはボクだけのもの…」、裕福な感にくるまれる。
でも、そのたびに、「ダイヤモンドは永遠に」という語句が閃いて、ひっそり、「今のを誰かと共有出来てたら…」とも思ったりした。