『宇宙軒』がらみで妄想を…

重力波が遂に、"観測"されたとの報に、いささかの感慨がないわけでもない。
はるか彼方の宇宙空間とそこに浮く重き星がもたらす"空間の歪み"という、なんだか解るようで解らない感触をば、手の平で捏ねてみるに、ボクはカレーを思う。


日本のカレーライスは、愛知だか静岡だかの、どこかの川を境に分布が、変わるそうな。
その川より西はビーフで、東はポーク。
当然に岡山はビーフ圏。
ま〜、もっとも、ボクが小学校から中学に入る頃には、どちらにも属さないクジラの"肉"での滋味が浸透して、いささかションボリな食卓を味わったこともあるけれど、それは当時の物価が家庭に及ぼした影響であって、岡山じゃ〜、ビーフが基本なのである。
それが、愛知だか静岡だかの大きな川をハザカイにして、ポーク圏となるのだから、奇妙じゃないか。関東はポークのカレーが主流で、この岡山も含めて関西方面じゃビーフが主流と、二分するんだから、まったく、変なのである。
その川は、何がしかの比重が重く、あるいは素粒子レベルの何かとした重力波的な影響として、それで人の嗜好もまた、そこで変化したと思ったりも… 出来るワケだ。
空間における重力波が、そこに介在しました〜と… 声高かにアホ〜なことは云わないまでも、変容には、なにかが必ず介在するはずだ。



たとえば、今ボクは… ビーフ圏内にいながら、ポーク・カレー党なのである。
数年前、ふと… ビーフでなくポークでもって、グリコのルーで造ったら、
「ありゃま〜」
すごく美味しかった。
ハウスでやってみても、同じ結果なのである。
舌が悦び、転こび、よって、たちまちに… 転向。
今やカレーを食べて〜ェ、と思えばビーフ味でなくポーク滋味がアタマをよぎるホドに。



このボクの変化(へんげ)に、何か眼に見えない影響力として"重力波あるいは空間"が介在したとは… 今のところ証明できない。
証明できない以上は学説にもなりえない妄想だけども… でも、ひょっとすると、嗜好の変化にもグラヴィティが関係あるかも… と思うのはボクの勝手である。
少なくとも、こたび、空間が歪むことが証明されたのだ。空間は空ッポでなく、何かのエネルギー的物質というワケだ。
その微かな重力の波がボクの体内を通過し、鋭敏にそれに触発されてビーフからポーク味に変化したかもと想像すると、こたびの"観測"は、やはり、トップニュースに価いするもんだ。
問題は、それをどう肌の感触として受け止められるか、でしょうな…。
重力による空間の歪みという宇宙次元を、カレーライスの嗜好次元にまで持って下げなきゃ、世の中、お・も・し・ろ・く・ない。



1956年作の『宇宙人東京に現る』の「宇宙軒」の、お品書きのカレーライスは、ほぼ間違いなくポークだろう。関東にあるんだからね、あの店は。
ただ、ニンジンが入っているかどうかまでは、今のところ、"観測"出来ない。
そも、ニンジンを入れなきゃいけないのかという疑問も、ある。
これはたぶん、重力波とは… 関係ない。
けども、ほれ… 今あなたは、カレーを食べたいと思ったりしてませんか?
それって、重力波の伝搬?
「な〜、ワケはないよな」
と云ってしまえないのが、こたびの重力波の観測かもしれませんな。
新概念への幕開けにボクらは同期してるって〜ワケです。