ユスラウメ弱る


今日の時点でまだ迷走中らしきだけど…、過日の逆走台風通過。
風もなく雨もない前日の夕刻に携帯電話に届く「避難指示」の奇妙な乖離感。
「狼が出たぁ〜〜〜」
イソップ童話の可笑しみをおぼえないワケでもなかった。
でもまた一方、
「狼、出た〜〜」
を言い募のってなきゃ〜いけない予断なき進行形の不自由も、思わずにはいられなかった。



某日夕刻。
グッタリげっそりな暑さの中、丸の内のRSK岡山映像ライブラリーセンターへ。
閉館後の同所にて、ちょっとした会合の場を設けさせていただく。
同所所有の古い映像が事前に用意され、視聴させていだだく。
会合出席の大学関係の方々から、
「お〜〜っ!」
ってな、感嘆の声あがる。



同席しつつも、それに関しては実はそこまで詳しく探求しているワケでない我が輩は、さほど興味の温度は上がらない。
むしろ同館に展示されている、B-29の、昭和20年の8月に岡山を火の海と化させた爆撃機の精緻な模型に、これは確か米国レベル社製プラモデルじゃな…、など、あらぬ所で感じいっていた。
ミュージアムなどで岡山空襲の災禍が常設的に展示されたりもしているけれど、はたしてこのB-29というのが、どういうモノであったか、何人乗っていたか、何歳くらいの人達であったか…、などなど、まだまだ、その辺りを”岡山空襲展”という括りの中では伝えてはくれない。
被害者側視点でない眼も必要だろう、展示構成を見直した方がイイとも思って久しいから余計そのプラモデルに見入った。


この施設に出向いたの実は初めてのことだったけど、意外な展示や収蔵物あって、この先、何度かは出向くことになるだろう、な。
ここには、進駐軍岡山軍政部の初代部長だったエドウィン・C・ホイットニーが自ら撮影した8ミリフィルムの映像がある。ホイットニーの遺族から寄贈されたもので、貴重だ。
DVDに起し直されて常設で見られるから、我が輩は会合そっちのけで見入ってた。
終戦直後の岡山の映像だ。しかもカラーだ。
いささか眼をみはる。真新しいベニヤ板らしきで焼け跡に再開してる表町の服部時計店とかを見て、
「おほっ!」
密かに感嘆してた。
一体、その新品らしきベニヤ板はどう調達されたのか?
興味が逆巻いた。復興はどういうカタチでもって浸透していったのか…、今も大雨の後始末に苦労されてる地域の方々とそれがダブって、いっそうに大きく逆巻く。



会合後に懇親会。
距離の離れた場所にある「土手下麦酒」。
なんで、そんな遠方の店に予約入れとんじゃ〜!?
密かにブ〜イングしつつも、懇親会イキマセンとはいえないし、そんな勇気もない。
正直、暑いんで、場所はどうあれ、冷っこいのを喉に触れさせ通過させたいじゃないか…。黙して移動につきあう。
で。
毎度のことながら、出向いて着座しちゃえば、最前の不平なんぞは霧のように失くなって、
「ボクちゃん、もイッパイね」
ケタケタ笑ってる。
この3月で文化系のお役所仕事を自ら辞してフリーになったT女子が、やっと思い描いたことに近寄れると眼を細めるのもヨシヨシで、こういう酒席でのハナシは濃くてオモチレ〜。
形而上と形而下がウズみたいに巻いて何時までしゃべっていても飽きない。



※ トイレにあった張り紙


さてと…。
庭のユスラウメが枯れつつある。
数年前にフクロミ病というのを患い、完治しないままに数年が経って、いささか弱ってもいたろう。追い打つみたいに、4日間の水責め。次いで、獄暑な日照り責め…。
ついにダウンしたように見える。



クロミ病を完治させてやれなかった当方が悪いのだけど…、それゆえ寂しい申し訳なさをおぼえる。
ネット情報を探ってみるに10年ほどでダメになったとか、50年以上元気とか…、個体差もあるようだけど、ある園芸店の記述によれば、挿し木苗で生育のものは10数年でダメになるともある。
我が庭で10数年、毎春を楽しませてくれたから、この枯れは悲しい。



応急の処置として枯れ部分を太い幹ごと伐採。
傷んだ部位を取り除くや全体のボリュームが半分以下のサイズになっちゃって変なバランスじゃあるけど…、しばらく様子を見ることにする。




※ 伐採した幹にある謎の穴2つ。キツツキか? んなコトはないはずだけど、謎だ。けっこう深い穴がうがってた。


ユスラウメだけじゃなく、この夏は幾つかの樹木が暑さにやられてる。
アジサイは毎夏は大いに葉を茂らせグリーン凜々に勢いづくが、過度の雨と暑さに、これも葉を黒くさせ萎れぎみ。新たな葉を造る元気がない。




イチヂクも葉が黄ばんで落ちている。


ある温度まではオッケーだけど一線を越えるとダメというアンバイは、蚊やハエも同じだ。
実のところ、この夏は庭に蚊が少ない。
まったくいないワケもないけど、夕刻に庭に水をまいてると毎年なら10ヶ所くらい刺されてカユイカユイが、今年は2ヶ所程度のカユイ〜だ。
だから、すべては絶妙な日照や温度の中でのみ生息している…、という感じ在り有りだ。



けども、2年前だか某医師どのに頂戴のフウセンカズラのみは、これは直射光にあたらない場所に置いていたものだから妙に元気がよい。一株だったものが今や数株となって数個の鉢を占拠する。日々確実に水分補給を怠らなかったら、9月には窓辺を葉が覆いつくすだろう。
減退と旺盛は薄い被膜の上で踊ってる…、という感じな7月でしたな。