世羅高原

 

 柔道家に車の運転を任せ、久しぶりに福山市の友人宅を訪ねて、つい数ヶ月前に亡くなった彼の妹さんに花をたむける。

 幼い頃から心臓に疾患ありでペースメーカーを入れての生活。でもチャンと仕事にもついて着々に前進していたのだけど……、残念なことになってしまった。

 

 福山のその友人を誘い、世羅高原に向かう。

 広島県北の山中にある大規模な花の農園を2つ、廻る。

 連休中ゆえ、あんのじょう、人でいっぱい。

 というより、人でいっぱい過ぎ。

 たまさか、みどりの日。しかも晴天。そりゃ当然にこういう環境に人はやって来るわいなぁ~。

 

 

 ナチュラルな自然公園じゃなく、1品種を季節に応じて大量に咲かせる観光農園

 高原という立地と、その量的威勢に圧倒されるまま、大勢の人にまざって花と花の小路を歩む。

 人、花、人、花、ヒトヒト、ハナハナ……。シュガーに群がるアリのようでもあるけど、ともあれ、一面のネモフィラを見渡せたのはヨロシかった。

 うちの小庭じゃ、こうはいかない。

 ま~もっとも、旬の極みを過ぎてるようで、広大なチューリップ園もネモフィラも花が終わりかけ。

 ジャストのタイミングでなかったのがチビリ残念。

 

                     足元のネモフィラ

 

 むしろ濃く印象したのは、ネモフイラの丘そばのムギ畑の穂がいっせい風に揺れる姿。しなり、うねる、その柔軟にしばし眼が、悦ぶ。

 ライ麦畑でつかまるコトのない束の間の自由みたいなのを……、味わう。

 

      静止画像じゃ伝わらないけど、風で麦穂がいろいろなカタチに変化して飽きなかった……