実るのかトウモロコシ?

季節がめぐって早や6月も10日が過ぎます。
アジサイが色づき、梅雨に入りと、季節の変動が感じられる今日この頃。
4月末に2本のみ植えたトウモロコシも、今はもう身の丈がボクを越えています。
わずか1ヶ月とちょっとでここまで伸びちゃうのだから凄いですな。
先端に雄蘂(ゆうずい)が咲き、その下方に雌蘂(しずい)が登場。
馬のタテガミみたいな毛が生えたこの雌蘂が実となるのだけども、上っかわの雄蘂から落ちる花粉を浴びなきゃ受精しないんですな。
雌雄異花植物、と正しくは云うらしく、キュウリなんぞもコレ。
なので通常、トウモロコシは10本くらい植えて受粉の確立を高くしなきゃいけない… ようです。
「なんで、そんなに植えなきゃあかんの?」
と、トウモロコシ栽培初体験のワタシは植え込み時に首を傾げたもんだけども、今は体感としてよ〜く判りマ。

トウモロコシ… 実に不細工です。
まっすぐに伸びるのはいいけども葉が茂り、自身で自身に受粉するための障害となるんですね、葉が。
葉が邪魔をし、風が邪魔をし、というワケで密生させて植え付けたら、オコボレが少ないというワケ。
ナンギな植物ですな。
自身にオスの部分とメスの部分とがあるというのも… いささか可笑しく、万が一、我が輩ら人間どもも、このようなトウモロコシ形なら、
「それって、オモチロイかい?」
大いなるクエスチョンが浮き上がります。
我がアタマのテッペンからオスの粉を下方のどっかにふりかけるだけで子供を産んでくワケだから… もはや、恋愛の必然なし。
もう恋に悩むコトがない。
誰かを好きになったりしなくとも… ただもう自分にむけて、淡く恋慕してりゃいいワケな感じだから、楽といえばラクだけど、これは面白かろう〜ハズがない。
えっ? 違いますか?
ワタシャ、これは面白くない。
なので、トウモロコシ形に人間というカタチが成立していないコトを悦ばなきゃイカン。
ケビン・スペーシーとジェフ・ブリッジスが主演の『K-PAX 光の旅』という映画があって、見ようによってはSFでありファンタジーであり、でも角度を変えると、リアルな記憶喪失の物語… とも取れる、見事な一作なのですが、空港のロビーで、K-PAXなる星から地球にやってきたと云うもんだから、精神病院に強制収容された主役のスペーシーが、
「K-PAX星人の子作りは大変だ…」
「セックスは拷問のようだ…」
と、精神科医のブリッジスに告げるくだりがあります。
そのあたりのリアリティが実に旨い映画で、ワタシの大好きな映画のかなり上位に位置する1本ですけども… フッと、我がトウモロコシの成長を見つつ、そんなシーンを思い出しもします。
むろんに、トウモロコシめにはセックスの概念はないんであろうけども…。
ともあれ、梅雨ですな。
日照が弱まって、たえず、地面が濡れちゃっぽい感じになるから、それはそれでヤヤ心配でもあります。
根が、腐るんですね〜。
過剰に水があるのもイケマセン。
むずかしいもんですね、ヒトであれトウモロシコシであれ、生育は。
ちなみに、今、ふと思い浮かべたのだけども… その熱や光は無視して、月と同じくらいな位置に太陽がいるとしたら、
「太陽がいっっぱい」
なんて〜もんじゃなくって、今見ている360度の空の全域が… 太陽なんですね。
北の端から南までも、西も東も… しかも、眼で見えているそれは太陽のごくごく一部というワケです。
でっかいのね〜、やはり。
日食、月食、金食… 関係なし。
ひたすら、おおっきいです。
この大きなのがはるか遠方にあるんで、地球は程良い湯加減なワケですな。
やはり、感謝すべきと申しましょうか。