うどんとサンダーバードにカレー・ルウ


「大阪といえば、やはりうどんですな〜」
と、この前、落語の桂紅雀氏がボクの眼の前真ん前でそ〜云った。
なるほど確かに… 阪急線とかじゃ、駅に"阪急そば"が出張っていて、きつねうどんは300円だ。
麺ツルリンと腰はないけどアゲ大きく、うん? おにぎりとのセットの方が得なのか、梅田店。
ちゃちゃっ、と食べる。
そのうどんの大阪で、さてさて『サンダーバード博 in 阪神』の開催だよ。
1月の7日までね。


で、今回はうどんでもサンダーバードでもなく、それらは阪神百貨店に出向いて賞味いただくとして… カレーのルウの話だ。
岡山じゃあんまり見慣れないもんだったんで、買ったんだ。


ビーフじゃなくポークで作ってみるに、昨今の固形タイプのルウには醸せないトロリとした粘りがあって、買ったのが甘口でもあったんで、品名に相応しい、子供時代に馴染んだ感ある美味しい食感じゃあったんだけど… 1つ、わからない。
パッケージの上側付近、『東京』の文字の下にある『BLOND』だ。
これは何だろう? と、訝しんだわけだよ。

よもや、『BRAND』、”東京 ブランド"と書こうとして綴りを間違えたか?
いやいや、そのようなハズはあるまい… ちょっとオシャレな"水牛印"をトレードマークにした、創業が昭和の5年という、いわばカレー粉の老舗じゃないか。短絡な過ちをしでかすワケはなかろう。それに下地の色も変えているじゃないか。
水牛という、あんまり和的じゃないギュ〜を社のマークにするようなシャレてハイカラな会社なのだから、これはたぶんに、カレーの黄金色からの連想として"ブロンド"と記しているに違いない。
でも、しかし、はたしてそうか。
それならそれで、何かその"ブロンド"をより暗示させる仕掛け、示唆する絵なりテキストがあってもいいのだが、それはどこにも置かれない。
そもそも、やや狭義に解するに、日本でブロントといえば金髪が1等に想起されるわけだから、いきおい、カレーのルウにこの単語を持ってくるであろうか?
通常は、持ってこないであろう。
でもね… パッケージそのものは全体が黄色というか、ガンバッて解釈するに"金色"のテーストがないわけでもない…。カレー→ゴールド→ブロンド、の連想がないわけでもない。
という次第で、惑わされ、解釈が二分されるんだよ。
いや、たとえばですよ… 下の写真。


これは我が住まいの近くの踏切にある看板なんだけど、JRはこの看板でもってズ〜ッと恥をかき続けてらっしゃるんだけど誰も指摘してあげないから、さらに恥は継続するんだけど… 当然、これはマチガイなのであって、深い含蓄なんぞはない。いっそ、これが"衝撃"でなくって"笑撃"となってりゃ、なんだかJRにアヴァンギャルドの斬新をみたり出来るんだけど… そうでない。技術秀いでたJRの思わぬ弱点は国語なりなのだ。


その点でこたびのカレー・ルウのパッケージは、ひと味違うのだ。
ただの綴りマチガイか、非常に奥の深い含蓄ありな意識された単語なのか。
あるいはひょっとしてこれは、『東京・ブロンド・懐かしの昭和カレー』が正式な呼称なのか…。そうであるなら、な〜かなか華麗じゃないか…。 
2013年終了直後にフイに突きつけられた、これは思わぬ難問だ。
なので、お味と共にこのパッケージも、気に入った。
我が輩としては、これは綴りマチガイなんかじゃなくって、あくまでも輝きある"ブロンド"と解釈したい。
いかにも昭和な感じで、カレーがご馳走だったサンダーバード世代によくマッチするよ〜な。
あなたはどう思う?
厚生町(岡山)のプロフーズという店で売ってるぞ。