ショート・トラブル

とつぜん、3台のプリンターが動かない。
ローカルネットに異常アリとMacのシステム環境設定が示唆してくれるから、ソフト的な部分での不具合をまさぐった後、床の最下端の見えない所に這わせた諸々長さの違うラインを埃まみれになって辿って、いわゆる接続異常もチェックしたけど、見ため異常なし。
こういう厄介は願い下げだけど、復旧させなきゃど〜しようもない。
ああ、めんどくせ〜。


月着陸をめざしたアポロ時代の夜明け。
かのアポロ1号はラインの皮膜破断による極く小さなショートでもって、大事な飛行士3名を失った。内2名は当時の米国で国民的ヒーローだったナイスガイ。
船内は純粋酸素のみ。マッチ1本が大きな松明以上に爆裂的に燃え上がる… 酸素しかないんだから、いざや火が入るや密閉空間ではその全酸素イコール大燃焼という環境だった事を誰もが忘れていたがゆえの大事故。
3飛行士が座ってた船内の床はその時、テスト中の膨大なラインで、文字通りアシの踏み場もない混乱っぷりであったらしい。その1本が元凶。


床にうずくまってテーブル下の狭い箇所に手を無理して入れ、2台のサーバー化されたMacとそこから伸びた3つのプリンター・ラインや2機の外付けHDやオーディオへのラインや、加えて各機器の電源コード、アレやらソレやらのライン… それらを引っ張ったり辿っていきつつ、かつての痛ましい事故を思い出した。
ま〜、どのようにラインがのたうっても、我が方は純粋酸素に満たされた環境じゃないんで、爆発炎上は考えにくいけども、いざやトラブルに見舞われると、苛立ちだけは大いに発火するもんだ、な。
その上でお手上げ。元凶が出てこないのだから、ホント、弱るんだ。


そこで井上陽水の一節を思い返し、あえて思い返し、『探すのをやめたとき…』と、全電源を落として丸1日、放置することにする。


すると翌日、アンノジョ〜というか、勝手に復旧してやがる。もうまったく何事もなかったように。
結局、原因わからない。
でも途端に、心理として…、
「ま、いいか〜〜♡」
と、なっちまう。
これはホントはよろしくありませんな。
よろしくはないんだけど、元に戻ったからイイじゃんかと… 眼前の安堵が先き立ってふりかえる気力がない。
ま〜、それゆえ、なんとか矛先を誤魔化そうとしたワケじゃないけども、エディオン原尾島店に出向いて4口対応のUSB-ハブを買ってきて従来のと取っ替えて、一応の顛末の括りと、今回はした。何かが刷新されたと、自分にいいくるめて納得をしているワケだ。

なんか身辺諸々、こうやってウヤムヤになることって、多いな…。
事物に流されている… ということなんだろな〜、実態は。

流す、といえば水洗トイレを思いだす。
最近読んで面白かった本。
『排泄物と文明』
生態系の循環がテーマ。
水洗トイレで我々が何を得て何を失っているかも記され、おもしろい。
一筋縄ではくくれない深淵が提示され、1つ1つの小さな解決は導かれても、それが今度は原因で別の事態が生じてくるといった… 総体としての地球と生き物の関係の複雑が描かれる。