満員御礼



※ 明治半ばから昭和20年まで岡山市にあった図書館(良いカタチでしょ)


想定外は常に発生する。
"想定"は幾重かの進捗を予想しての"組立"だけど、万全でない。
たとえば、こたびの講演で、はじめて、原稿を用意した。
読み上げる原稿。
今回は3時間分の内容を1時間で話そうという企てだったゆえ、余計な言葉をいっさい省き、内容も絞りに絞ってと、ケッコ〜丹念に言葉を組み上げて、それを原稿化して着座したのだったけど…、
「ギョッ!」
会場の天井からの照明がヨロシクない。


原稿が20ページ近くあるもんだから、それをクリアのフォルダーに入れ、順次にページをめくればイイわい…、
「楽勝じゃ〜ん」
北叟笑んでたら、クリアなビニールが照明に反射して、なんと原稿が読めない。
それどころか眩しい。
あわてて位置を変えようとしたものの、マイクスタンドとiPadも置いてるから、動き幅はごく少量。
よって変わらず、原稿は光ったまま。
あじゃぱ〜」


逆光ならぬ逆境。
といって思案するヒマもない。
ま〜、そうなりゃ、も〜、アドリブ的ないつもの話法で、「やっほ〜」しかないワケだけど、そこへ至るまでの切り替えに苦労した。
なんか、せっかく原稿を作ったのに… それが読めないのは実にケシカランではないか… だから講演開始後10分くらいは、何やら朦朧が妖気な湯気みたいに逆巻いてた。
読んでやろ〜という気と、それはもう諦めて切り替えろ〜な気が、狭いココロの中でせめぎあっていた。


幸いというか、これまた想定外だけど、席数を大きく超えての入場で満員御礼という状態。
当初用意のレジュメの1部がたちまちなくなり、裏方、受付担当の我が仲間が大慌てで1つ階上のミュージアム事務所に駆け上がり、40部刷って、駆け下がって配布したら、また足りない…。
ボクがクリア・ファイルの光沢に苦労してる頃、S君やK妃殿下(アダナだよ)はドタバタという有り様だったようで、
「想定外、おそるべし…」
アポロ13号の、あの最高難易度のまさかまさかのアクシデントを思い出したりした。



※ 映画『アポロ13』より


来春、3月に、今回あえて省略した部分をキーにしての講演企画があるんで、次は… 照明にも気をくばろう。
「え、どうすんの?」
「ビニール・ファイルは、使わね〜」
終演後、相棒にそう告げたら、なんだか大きく進歩前進したような… 安堵な気がわいた。


しかし、もちろん、聴いて見てる側にすりゃ、そんなコタ〜どうでもイイのだ。
要はその2時間ほどを、「出向いて良かったなぁ」と受け取れるかどうかなんだから。
多数のご来場、まことに、ありがとうございました。なんぞ良いものがあったようなら… 幸いです。