台風連続

連続で台風到来の今日この頃。
といってこの岡山では、ニュースにみるような…、ひどい雨も風もない。
"ひどい"というのは、あくまで地球上の我らが日常を基点にしての加減なんだけど、木星に眼を転じると、はたしてその"ひどい"が通用出来るのかどうか、危うい。



かの大赤斑は近年になって縮小傾向が観測されているようだけど、地球が3つほど呑み込まれる巨大台風の目… どう転んでも、"ひどい"の1語じゃ顕せない規模なのはマッチガイない。
さらには今、探査機ジュノーなどの各種検査でもって、この赤斑の上空800Km界隈は1300度の高温になってるコトが判ったそうだから… やはり、"ひどいヤケドを"じゃ括れない。
こういう書きようを広義じゃ韻を含むといい、狭義じゃ駄洒落とか諧謔とかいうけど、ま〜、そんなコトはどうでもよろしく、ともあれ鉄ですら1500度くらいで溶けるんだから… とんでもない台風が木星じゃず〜〜っと続いてるというシダイ。すぐそばで観測も出来ないんだから、地球規模と木星規模の乖離がすごすぎる。
何より違うのは地球の台風が低気圧ゆえの現象なら、木星のは高気圧ゆえのそれ。
毎時36万Kmという速度の"風"もあるらしく、体感とかの人の皮膚感覚じゃ表現のしようもない。
といって、いまだその高気圧が何故に大赤斑を創ってるのかは解明できていなんだから、おもしろい。



おもしろいといえば…、木星はむろん地球同様に太陽から熱をえているが、木星が放射している熱はそれを上廻る。温められている以上に熱くなっている。
これは1966年に発見された。
何故そうなのか?
解明はまだされていないけど、ヘリウムの核への降下、すなわち核融合が自然発生しているんではなかろうか… というのが理由にあげられる。
そこをヒントにしたのが、木星がやや小さめな太陽に変じる、A・C・クラークの「2010」だ。
上出来な映画とはまったくいいがたいけど、ま〜、嫌いじゃない。入手したピカピカの新情報に想像を膨らませた創作力の持っていきようが素敵だった。
けどもクラークの素敵は本作で潰えた。以後はなんだか… 勢力をなくした台風のようなもの。気圧が低い駄作の連続にグッタリしたもんだ。