蝉の声・静かな庭池

 やたらの長雨。

 そのせいかどうかは判らないけど、この夏はやたらにセミが多い。

 キンモクセイにも、名を知らない成長の早いヤツの幹にも、複数のセミが3密越えてウジャウジャ。

 この2本の木だけで、たぶん40匹くらいはいるだろう。

 

f:id:yoshibey0219:20200726120449j:plain

 

 当然に朝、にぎやか。

 というより、すごい音量での唱名。

 それが午後近くになるや、いっせいに泣き止んで、写真の通り、じっと動ぜず、梢やら幹に留まってる。

 こちらがセミ捕りしないと判ってるのか、近づいたって動かない。

 ま~、それでよろしい。

 セミの命は短い。悠々として急げ……。

 

f:id:yoshibey0219:20200726120607j:plain

 

 やはり、やたらの長雨が影響しているのだろう。

 キンモクセイの下にある庭池の睡蓮も、本夏はやや生育がよろしくない。

 水の中にいようと陽光必要。水面に浮く葉がさほど大きくならないし、緑色も濃くない。

 長雨で水量はたっぷりながら、水温があがらず……、水槽の金魚どもを庭池に戻す予定だったけど、いまだ水槽内に生息中。

 だから庭池は無人じゃなくって無金魚。

 魚が遊泳していれば、ある程度は水を撹拌するし、浮草の根っこなんぞをつっついたりで、藻の発生をちょっと抑止するけど、それがいないもんだから、水が静止し、結果としてふやけたトロロ昆布みたいな藻が生じてしまう。

 あれもこれもが停滞……、調子が狂っちまった夏。 

 ま~、それもしかたない。こういう夏もあったと、た・の・し・ま・な・きゃ、しかたない。

 

f:id:yoshibey0219:20200729232640j:plain

f:id:yoshibey0219:20200729123903j:plain
 

 3日ほど前、Kosakaちゃんがやって来て、白いトウモロコシをば。

 ありがたや~。

 小夏を運んでくれた日、前回のトウモロコシの日、で、こたびと、3度とも雨中。

「なんじゃろね~」

 と、笑う。

  

f:id:yoshibey0219:20200727185144j:plain

 

 書店から『西遊妖猿伝 西域編 火焔山の章1』が届く。

 実に5年ぶりの最新刊。

 待ちに待った、といってよし。

 表紙のアートがガラリと変わって、「おや?」とも思ったけど、数年ぶりの再会、新陳代謝の新鮮とおもえばイイ。

 諸星大二郎は、悠々にして急がず。

 なので一気読み厳禁。チビチビすするように一コマ一コマ、ゴックン呑み読む。

 新たな章の、あくまでもプロローグ。

 馴染みのキャラクターと新たなキャラクターの顔見せ……。この先また何年もかけてポツンポツンと単行本が出るんだろう。

 ワクワクは続く。

 

f:id:yoshibey0219:20200727234630j:plain

 

 何でもかんでも、せっつき・せっつかれる、ようなアンバイのさなか、このスローな悠々こそが気分いい。

 諸星作品は、ファスト・フードじゃない。週刊ベースな”消費”としてのFastじゃない。じっくり煮込んだ、First(一級)な滋味をおぼしめせ、だな。

 巻末に毎回登場の講釈師(作者)が、マスクしてるのにゃ、

「ぁぁ、諸星御大も同時代……」

 妙なところで顔がほころんだ。

 

f:id:yoshibey0219:20200727232756j:plain

 

 そうやって、いつもほころんでいたいけど、国政やらその指針をきくたび、ブ〜〜。

 遊びも仕事もゴッチャゴチャの「ワーケーション」って何じゃろね?

 政府の指針をきくたび、我らが実生活とのあまりの乖離っぷりに、シッシンしそ。

 あちゃこちゃでアタフタ拡大というに、トップはこの1ヶ月会見なし、種々の委員会にも出ずというんだから、すさまじい逃げっぷりというか……、ろくでもね〜というか。ブブ〜。