DIY

 トタン屋根のペイントをやって以後、妙に、住んでる家のことが、ひっかかる。

 建てられて既に久しく、何度か増築と改修があり、さらには何度もの地震に遭い……、それなりに傷んでいるのは判っていたけど、傷みが「痛み」として眼につく……

 たとえばバスルーム。

 20年ほど前に業者に依頼して大きく改造したものだけど、阪神淡路大震災のさい、タイルにヒビが入った。

 なんだかその時は綺麗に治すという気がおきず、実にまったく適当に100円Shopで売ってる色も違うセメントを塗ったくるという程度で済ませ……、そのまま今に至ってた。

 

 そのいい加減な仮修理のコトを、以後まったく気にしていないワケでもなかったけど、ま~、いつか、ある時に、という感じでほったらかしだった。

 それがこたび妙に眼についてしかたない。

 仔細を見るに、かの大震災後も何度かグラグラを味わっているワケで、アチャラにコチャラ、大小のヒビやら表面の剥離ありあり。

 バスルームの三隅がとくにひどい。

 

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    黒い部分は穴が開いてるんじゃなく、黒いコーキング剤が当時手元にあったので……

 

 ならば、こたび、ちょいと本気で、自分で治してみよう。

 ヒビ割れタイルを新しいのに取っ替えよう。

 そんな野蛮がムックムクと起き上がるんだった。

 

 YouTubeで情報を仕入れるに、風呂タイルの場合、ヒビが入ってるタイルの廻りの目地部分にマイナスドライバーをあてがい、金槌で徐々に叩いて、取っ払うのが正道のようだ。

 そこで某日、コーナー部分の1つにその施しをやってみるのだった。

 けどもだ、これが手強いんだ……。

 まずイチバンに、だ。

 金槌を叩くたび、なんせ密閉率の高いバスルームゆえ、音が大反響。近所迷惑はなはだしい騒音だぁ。

 次いで、容易にタイルが剥がれてくれないコト。

 よほど頑強な接着剤で固定されているんだろう。ビクともしない。

 作業を始めて直ぐにお手上げ……。

 

 ま~、そこを踏ん張り、カーンカーンの大音量に顔しかめつつ頑張って叩いてくと、タイルを固定したモルタル部分そのものが、ごっそり外れてしまって、

「あっ!」

 ビックラこくのだった。

 

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 タイルというのは、あんがい硬い。マイナスドライバーの先っちょで強くインパクトしたって、割れもしないんだから、たいしたもんだ。(タイルよりもその裏側のセメントの方が弱いんだね……)

 そのたいしたもんだのタイルを、およそ1分強ほどだった震度4強の揺れ阪神淡路大震災は、いとも容易に裂いてヒビ割れを作ったんだから、これもたいしたもんだ。

 地震エネルギーはヒトが振り下ろす金槌の一撃より、はるかにデッカクて強靱なんだから、たいしたもんだ。

 褒める気はないが、すこぶる、恐れ入った

 まっ、その事実を……、あらためて、我がバスルームの隅っこで知ったという次第。

 

 で、そのマイナスドライバー打ち叩き方法なんだけど、効率が悪い上に、どうかした弾みで、そばの、良い状態のタイルの縁まで剥がしてしまう。

(直に打撃を加えたワケでなく、打撃の衝撃でボロッと落ちる場合がある)

 これでは治そうとしてんだか、壊そうとしてんだか、本末転倒。

 

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 しゃ~ない……。

 模型用の工作道具はしっかり持ってるけど、家屋用の工作道具はほぼ持ってないんで、電動グラインダーをば購入。

 予定外の出費も何だか小さな驚き。

 が、グラインダーがあるなら、それはそれで工作を愉しめるかもな……、工作電圧が下がったり上がったりの今日この頃。

 

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 という次第で、グラインダーにタイル用のダイヤモンド刃を装填で、目地切り再開。

 難なくという程じゃないけど、作業速度と効率がアップ。

 

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 微細な粉塵が激烈多量に舞うけど、そこは防御メガネとマスクで対抗。マスクは幸いかなコレが必需の世の中なんで在庫たっぷり。

 しかし粉塵はハンパでない。辺り一面、顔も髪も肩も真っ白け。撮影に使ったiPhoneも真っ白けっけ〜、故障するぞ……。

 もちろんながら、目地は切れてもタイル本体はやはりマイナスドライバー(たがねに変えたけど)と金槌でカンコンカンコン……。

 音のでかさに作業は5時頃に終える。いったん全部片付け、剥がした部分はビニールでガードし、真っ白けになったバスルームと自分にシャワーがけ。

 この作業、明日もまだ続く。

 

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              粉塵で背中も白く、髪の毛もジャリジャリ……

 

 コロナウィルスの騒動となって以来、ホームセンターはどこもDIY部門が盛況。かなり忙しいそうだ。

 事実、どの時間帯に出向いても、木材買ったり、道具吟味のヒトがいる。

 ご承知の通り、DIYは、

 DO IT YOURSELF

 の略語。

 第2次大戦終了後、空爆でやられたロンドン市民たちが自分たちの手で瓦礫かたづけ、使える煉瓦を組み直し、鋸を引いて柱やら階段やら家具やらやらを作り直していったコトで、この略語が定着してった。

 新たに創り起こすのではなくって、あくまでも復活させるという意思のバネが強かった。

 なのでロンドンは手作り再生された街、といっていい。

 災禍に遭ってるという点ではコロナウィルスも、そうだろねっ。自宅にいるコトが多いので、眼と手は自ずと自宅修繕に向かうという次第でしょうなっ。たぶんにこの場合、リノベーション(刷新)が根底にあるんだろうけど、DO IT YOURSELFであるコトは一緒。寝て過ごすより良かアンバイ。

 たぶん……、わりあいと多くの方が、当方同様に自宅やらでカンコンカンコンなのでしょ〜なぁ。