ながく我が身の面倒を診てくれた医師が、亡くなった。
というか、亡くなっていたコトを知らずだったんで、愕然とさせられた。
最後の検診は2月の半ばで、3月終わり頃にもう直きに次の検診だにゃ~、と思ってたら我が弟よりモシモシがあって、
「I先生、亡くなったようだぞ」
まさかの報に、困惑、否定ぎみに……、
「なんじゃそりゃ?」
悪い冗談を聞いたような気分なのだったけど、医院にモシモシしてみると、休診の録音案内があるきりで、何も情報が得られないのだった。
定期で薬をもらってるんで、まもなく検診必需。
しかたない。近場のK医院を訪ねて事情を話すと、
「I医院さん、お気の毒でしたねぇ」
既に事態を承知のようであり、それで、ようやく事実と判って、
「が~~ん」
あらためて、愕然を味わった。
Iは、ボクよりかなり若い医師で、父親から医院を引き継いだ。
マイ・マザ~は、このI医院で親子二代に渡って診てもらってた。
英国車が好きで、古いロータス・エランを手にいれて自分で改造したりと趣味なヒトでもあった。
ボクがミニに乗ってるのを知って以来は、検診は数分でアトは車の話だらけ。
看護士さんが呆れちゃって
「あの~、アトの患者さんが……」
苦笑するコト多々なのだったけど、その若きI医師の急死……。40半ばでまだ独身だった。
とはいえ、あくまでも患者と医者の関係でもあって、共に車で公道を駆けたというようなコトはない。検診時に車バナシに花が咲くという範疇での関係ではあったものの、すこぶる、残念。
新たな医院で、新たに検診され処方され、お馴染みの薬を頂戴して、コトは進んだけど、“主治医”に先立たれちゃった患者というのは、滑稽なもんだ。
冥福を祈りつつ、乗り手を失ったロータスを不憫にも思う。
早く駆けるよう彼はエンジンに手を入れたりして、英国車のみのアマチュア・レースなんぞに何度も出場していたりでなかなかヤンチャなのだったけど、その本人がライフのスピード違反、早く逝ってしまうとは、ぁぁぁあ~。
「なんちゅ~コトか」
この世の中が整合性なき不均衡な混沌であることを重々に承知しつつも、不条理の前衛を味わって、
「こんなの、味わいたくもないっ」
絶句したままグンニャリさせられているのだった。
コロナ疑いの方を検診のためにI医院では昨年、駐車場の端に小さな検診室を設けたけど、ほぼ未使用のまま、虚ろになってしまった。
どういう次第か、2月の検診時、そこを写真に撮っている。
不幸を予見したワケでも断じてなく、ただただ何だか1枚パチリと撮っただけなのだけど、思わぬカタチでこの先も記憶されるであろう写真になってしまった。
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過日。若い仲間たちと後楽園そばの公園で花見。
後楽園はその数日前に外周を軽~く散策し、アチャコチャで弁当を拡げてる方々を見て、屋台禁止ゆえ、騒々しさがなくって、コレの方が良いんじゃないかしらと思ったもんだ。
コロナ以前の後楽園界隈は焼き肉の匂いがこもって、
「花より肉かい」
足が遠のいてたけど、コロナのおかげといったらヘンだけど、騒擾(そうじょう)やら喧噪が薄れてガツガツせずで、よいアンバイ。
桜の木も、焼き肉の脂を霧みたいに浴びせられずで、ホッとしてるんじゃないだろか。
イチバン若い参加者(小1)とハトをパチリ。左のオブジェはリスかネズミか? 顔を真正面からみるとサルのようでもあり、耳の大きいサルだと言い張ってもイイけど、こういう場合は小学1年の見解を聴くべきだったろう。
彼女の作ったヤヤ焦げた、でも甘い卵焼きに舌鼓みポンポン、ニンマリ笑ってるうち、聴くの忘れたぁ。