岡山神社にて奇妙な偶然

 

 偶然というか、符合というか……、ピッタリにマッチしちゃう物事って~のが、ごく希にあるよねぇ。

 このタイミングでその話を聞くって、マジかよ~、とか。

 まさかこのイベントでそのヒトに会うって、ホンマかいや~、とか、とか、とか。

 

 数日前の日曜の夕刻、岡山神社を会場にして、green drinks OKAYAMA 「開発!遊び心で、まちをよくする方法」なるイベントがあり、ヒョイっと参加したのだった。

 知らなかったけど、「green drinks」は、「環境」や「持続可能性」をテーマに、世界500都市以上で開催されているイベントの総称で、この岡山にもその主旨を中心に諸々なイベントをやってらっしゃる「green drinks OKAYAMA」という団体がある。

 そこの主催でのトーク・イベント。

 タイトルの中の“開発”という語に疑念したけど、私のアタマの中にある土建的開発とは別モノ、意味が違ってた。ここでいう開発とは「かいほつ」、まちづくりを開きはじ

めたり考え出す、というニュアンスらしい。

 

 

 たまさか会場が岡山神社

 で、さらにたまたま、ゲストとして同神社代表の久山氏。

 そして、下石井公園を含めた西川岡山市北区界隈の「まちづくり」に取り組む満月BARの山下リール女史。

 久山氏は岡山神社を含め、すぐそばの石山公園などの地域としてのコミュニティの活性に尽力しているという次第で、この2人の話を聞き逃すワケにはいかない……。

 

 当方も、「おかやまJAZZフェスティバル実行委員会」の一員として、石山公園・下石井公園でのコンサート主催に関わっているんで、いわば、その地元のオピニオン・リーダーといってよいご両名の声をばダイレクトに聴けるチャンスと思って……、前売り買って参加したのだった。

 

 参加者には、かの福島原発によって避難を余儀なくされて、その後は岡山に住まってここに根をおろそうとしている方やら、同日、岡山の某河川脇にポイ捨てやら不法投棄されたゴミの回収をおこなうイベントに参加し、クタクタになってここにやって来た方もある。

 ま~、詳細は省くけど、話を聞いて最大に驚いたのは、久山氏・山下女史、ご両者が運営するか関わっている音楽イベントを含んだ諸々な「まちづくり事業」には大学生達も積極的に参加し、しかも時には運営の中心にいるというような……、世代を突き抜けた継承性が活き活きとしているという点だ。

「ガ~~ン」

 後頭部をどつかれ、

「ありゃ~……」

 息を大きくのまされた。

 その一点、我が「おかやまJAZZフェスティバル実行委員会」は、まったく成功していないんだわさ。

 運営を担う新規メンバーが生まれず、気づくと、いまだ老いたる我が輩が最前線にいたりもして、そこいらの消息を思うと、

「身に沁みて ひたぶるにうら悲し……」

 か細いヴァイオリンの音が聞こえてきそうなアンバイ、なのだった。

 自分がその人作りやら人育てを担うポジションだと思うと……、よけいにガ~ンの衝撃がでかかった。

 

 だから2人のお話を聞きつつ、明と暗の気分がいったりきたり、した。

 諸々コンテ〜から考え直さなくちゃ~いけない、と痛感させられた。

 2人の話には、当然に行政のコトも出てくる。

 地域イベントに行政(たとえば文化政策課など)は大きく関係してくるし、支援の在処もそこが中心になるんだけども、年度が替わると行政側の担当者が移動で代わるという難題やらやら……、そのあたりの「からみ」の話も示唆に富んでいて、

「なるほどな~」

 山下リール女史の発言に大いに頷いたりもした。

 

 で、途中、参加者たちが赤の他人のままじゃ~いけないだろうから、座ってる近くの3人くらいでそれぞれ自己紹介してオハナシしましょうというコトになって……。こういう意図的グループ・コミュニケーション作りみたいのは苦手なんだけど、しかたない。

 椅子を寄せ合い、3人で紹介しあった。で、妙な偶然がここで起きた。

 

 まずイケメンな男性は某政党の若き支部長で、我が輩の選挙区の方ではないんだけど、実はこの政党の事務所がつい数週前に我が宅そばに出来てもいて、いささか気にはしてたのが一点。

 くわえてこの政党には、過去にジャズフェスの裏方スタッフとして参加してくれ、後年に国会議員になった人物もいるんで、

「あらま~」

 妙な偶然に苦笑した。

 

 さらに、もう1人の女性。

あみといいます。シャンソン歌手です」

 と、聞いた途端に、

「えっ!?」

 耳を疑った。

                     



 彼女のCD、持ってるんだ。

 入手してから数年はヒンパンに聴いてもいたんだ。

 その本人さんと椅子を寄せ合い、オハナシしてるんだから、たまげ~た~アリゲータ~ぁ。

 彼女は毎年この岡山で開催の「パリ祭」のリーダーで、コロナ禍で同イベントも存亡危機に陥ったものの、こたびの久山氏や山下リール女史などがパリ祭実行委員として後方支援したようで、今年の秋にはシンフォニーホールでイベントが成立しそう。

 そんなツナガリもあって、この日のトーク・ショーにいらっしゃったようなのだ……。

 

 彼女の透明で澄み切った唄声のCDは、北区・上之町での音楽イベントをプロデュースしているF氏が、是非に聴け、と紹介してくれ、記憶がもうアイマイなんだけど、ジャスフェスをこちらがスタートさせて数年経ったか経たない頃だったと思う。

 だからもう、なが~い歳月が経ってる。

 そのなが~い歳月を経て、岡山神社2階の大広間で椅子を寄せ合ってしゃべってるのが、ジャズフェスをはじめた頃によく聴いてたミュージシャンの、そのご本人なんだから、普通、こういう偶然は考えられないし、これが映画の1シーンであるなら、

「そんなに都合よく出会うかよ~!」

 ブ~イングの嵐となるに決まってる。

 だけど……、物語よりも現実の方が、けっこうスリリングな偶然やら符合を編むんだね。

 こたび、それが具象したんだよ、岡山神社で。神社ゆえの御縁かしら?

 

 ちなみに同神社の久山氏とは、2017年、岡山シティミュージアムの講演でご一緒しているんで、ますます……、偶然と符合の糸がからみあって感慨がふか~い。

   

 

 ま~、今年をもって当方はジャズフェス運営から退き、今後は一観客として「たのしみ」たいとも思っているし、この日曜夕刻のトーク・ショーは、自分の失敗を含めアレコレ考察する良い機会となった。

 偶然の反義語は「必然」だ。コインの表と裏だ。

 そこを思うと、こたびのイベント参加でもたらされたアレコレはいっそう重みを増す。

 

 参加費はわずか1000円だけども、なぁ~んとオーガニック素材で作られたカレーと、プラスして缶ビールがついているのにはビックラこいた。

  それを食べつつ吞みつつ、ユッタリと話を聞くという次第だったんだ。

 しかしそうとは知らず、実のところ、そのチョイと前に岡山駅で唐揚げ定食とビールを味わっていて、満腹なのだぁ。

                  サンステ岡山のさち福やにて

 クチは欲しがるけどオナカが「もう入らん入らん」と悲鳴をあげた。もったいないけど、半分以上……、残しちゃったよ。

 

 ちなみ次いでに、あみさんは5/21、さん太ホールでのミュージカル『星の王子さま』に出演されるそうだけど、既にチケットは完売とか。

 でもオンライン配信があるそうです。

             

 直近だど、3/21には渋谷の千駄ヶ谷KITASANDOで「あみライブ」あり。

 さらならご活躍を期待するばかり。